島唄継承で大島北高生が金賞 自由すぎる研究EXPO 奄美から初の選出
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自分たちの文化である島唄を広め、次世代に継承したい―。地域の伝統文化に向き合った1年3カ月の情熱が実を結んだ。全国から9958件の応募があった中高生対象の探究コンテスト「自由すぎる研究EXPO2026」で、鹿児島県立大島北高校(有川美智代校長、生徒142人)の探究グループ「島唄班」が金賞(KAGA賞)に輝いた。内容は、島唄の若い世代への継承を目的とした取り組み。奄美群島からの金賞受賞は初の快挙。同コンテストは、学習指導業務や教育サイト運営などを手掛ける「トモノカイ」(本社東京都)が主催し、企業や自治体などが生徒の探究活動やそれによる成果物を審査するもので、今年は金賞76作品が選出された。総合学習「アマンday」に力を入れる同校からは3年生50人(8グループ)が参加。「シオマネキ班」「トビンニャ班」も入選し、地域探究の質の高さを示した。
島唄班は3年生の千田真帆さん、山田響さん、村山結さん、林慶吾さん、大倉杏柚奈さん、村山遥さんの6人。校内アンケートで「島唄を知らない」生徒が約7割に上り、「難しそう」との声が多い実態から、「最初の接点の分かりにくさ」を最大の課題と捉えた。
島内の唄者・森山ユリ子さんと本田英雄さんへの聞き取りから「体験と背景理解の両立」の大切さを学んだメンバーは、生徒のニーズを反映したリーフレット教材の制作に着手。「知る・学ぶ・歌う・楽しむ」の4ステップで構成し、こぶし(グイン)の波形可視化やイラスト解説で心理的ハードルを下げる工夫を施した。
メンバーは金賞受賞の喜びとともに、自身が成長できたとの実感を口にする。林さんは「自分たちの文化である島唄を評価してもらえてうれしい」、デザイン担当の村山結さんは「視覚的な伝わりやすさを工夫した点が評価された」、山田さんは「自分たち自身が一番楽しめた」と胸を張る。
探究を通じ、大倉さんは「人前で話すことが苦手だったが自信になり、自分の可能性が広がった」、メディア系志望の村山遥さんは「どう伝えるかという点でワンランク成長できた」、5歳から島唄を習う班長の千田さんは「調査の過程で身につけた知識や思考は将来役立つはず」と手応えを語った。
今後は実物のリーフレットを印刷し、授業や地域イベント、観光客向けに展開するほか、効果検証やデジタル化、後輩への引継ぎも視野に入れる。高校生自らが「伝える側」となり、文化継承の新たな物語を紡いでいく。