サントリーの隠れブランド 本格焼酎「大隅OSUMI」販売倍増目指し攻勢 開発に5年のプレミアム品も
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サントリーの隠れた本格焼酎ブランド「大隅OSUMI」。同社が洋酒やスピリッツで培った蒸留技術と、鹿児島の伝統的な焼酎づくりを掛け合わせて19年に誕生した。同社の酒類としては他カテゴリーに比べていまだ知名度は低いが、30年に現在の倍となる20万㌜へと販売拡大を目指す。このほどプレミアム本格芋焼酎を数量限定発売。通年品2品も来春にリニューアル発売する。
製造するのは、同社100%子会社の大隅酒造(鹿児島県曽於市)。
サントリーで長くスピリッツ事業に携わり、23年から大隅酒造の社長を務める矢ケ崎哲也氏は「スピリッツ・リキュールのものづくり拠点であるサントリー大阪工場では、免許や設備の関係で製造できない酒もある。そこを補完するのが当社だ」と説明する(6日の発表会で)。
グループで唯一「麹・発酵」を使用した原料酒づくりに特化。シラス台地で磨かれた天然水を使い、本格焼酎の伝統にサントリーの洋酒技術を融合。小ロットから試作できるパイロット蒸留設備を活用することで、革新的な製品の開発を目指しているという。
「大隅OSUMI」は雑味のない味わいと澄んだ香りの本格焼酎。飲食店を中心に取扱いを広げ、売上げは5年連続2ケタ成長。味わい評価も高く、国内外のコンペティションで数多く受賞している。
成長が続くプレミアム焼酎市場に向けて数量限定で投入するのが、開発に5年を要したという「THE PREMIUM OSUMI〈STARDROP〉」。
高価格帯の本格芋焼酎に求められる「甘味とコク」を最大限に引き出すため、130℃で加圧高温調理した紅系の芋を原料に使用。甘い香りと蜜のような深い甘みを実現した。11月17日から数量限定発売。各種ECサイトで予約を受け付けている。720㎖、希望小売価格4200円(税別)、度数40%。
通年品の〈芋〉〈麦〉は、独自の「香り厳選蒸溜」により、余計な雑味が出る手前の段階で素材本来の香りが際立つ原酒のみ抽出している点が特長。
来年3月に発売するリニューアル品では、現行品で評価される爽快さをさらに加味する方向へ、わずかに調整した。各900㎖、〈芋〉998円、〈麦〉962円、度数25%。
「瓶酒では、20~40代のユーザーを中心にカテゴリーレス化が進行。従来はウイスキーや焼酎など飲みたいカテゴリーが最初にあったが、現在この世代では本格感やその時の気分、背景のストーリーを重視した『自分がその商品を選ぶ意味』が基準になりつつある」(サントリー リキュール・スピリッツ部長 新関祥子氏)。
こうした層が求める価値と「大隅OSUMI」のブランドイメージには、大きな開きがあったという。今後は焼酎づくりの伝統と革新を強みに、ストーリーを伝えることで接点を拡大。家庭用チャネルやEC・免税店向けの強化、体験イベントなども計画する。カテゴリーを超えて選ばれるブランドを目指す方針だ。



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