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〝幻〟の「集団自決」 加計呂麻島での証言紹介 津田憲一さん、奄美市で講演
総合 南海日日新聞 👁 9

〝幻〟の「集団自決」 加計呂麻島での証言紹介 津田憲一さん、奄美市で講演

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「奄美〝幻〟の『集団自決』」(南方新社)の著者、津田憲一さん(72)=神奈川県=の講演が18日、鹿児島県奄美市名瀬の市立奄美博物館であった。戦時中、瀬戸内町加計呂麻島で旧日本軍の命令により住民が掘ったとされる集団自決用の壕(ごう)の存在について、島の戦争体験者から聞き取った内容を基に紹介。津田さんは、第2次世界大戦末期に沖縄であった集団自決にも触れつつ、「加計呂麻島の事実をしっかりと追い掛けていけば(集団自決を)軍が主導したことは間違いない」などと主張した。

 津田さんは元中学校教諭。社会科の授業で沖縄戦を教えるため、沖縄で聞き取り調査などを行い、集団自決に関心を持った。

 加計呂麻島での調査は、2017年夏に初めて来島した際、同島でも集団自決の用意があったことを、戦争体験者から聞いたのがきっかけ。その後、神奈川から加計呂麻島に数回通い、住民への聞き取りを実施。冊子にしてまとめたところ出版社の目に留まり、25年7月に書籍化された。

 講演では、聞き取りした住民の顔写真などをスライドで示しながら「区長から聞いて(自決用と)知りながら防空壕を掘ったが、日本は神国で勝つと思い、その防空壕に入ることになると思っていなかった」、「終戦後に兵隊さんから『いよいよの時、自決させるため掘ったんだ』と知らされてびっくりした」といった証言者の声を紹介した。

 津田さんは、沖縄で起きた集団自決の背景についての考察も交えつつ、「『戦争を繰り返さない』というのはもちろんだが、国民に生きることを許さなかった、『(当時の)この国を繰り返さない』ことが大事なんじゃないか」と結んだ。

 講演は奄美郷土研究会主催。同研究会の4月例会として開き、約40人が聴講した。