鹿児島県 2026夏奄美 相次いだ台風が生活直撃 停電・断水・崩土
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奄美群島の2026年夏は、二つの台風に翻弄(ほんろう)され続けた。7日から8日にかけて与論島近海を通過した13号と、旧盆時期にあたる25日から26日にかけ沖永良部近海を通過した18号。太平洋上で発生した2つの台風は、東から西へひたすら直進する異例の〝逆進コース〟をたどり、奄美群島に大きな被害をもたらした。長引く停電、断水、物流の停止、情報の孤立から解放された群島はようやく日常を取り戻しつつある。◇台風13号
台風13号は「非常に強い勢力」で接近、中心気圧は一時945ヘクトパスカルに達した。台風は、奄美地方全体が暴風域に入る「大型」(強風域が500~800㌔)で、奄美大島や加計呂麻島で土砂崩れや住家損壊、倒木、農作物への被害が発生した。
奄美市名瀬の中心部では、建物の外壁がはがれ落下、道路をふさいだ。公民館に併設された土俵の屋根が倒壊する被害もあった。屋根は柱2本が相次いで折れ、音を立てるように崩れたという。
瀬戸内町の加計呂麻島諸鈍のシンボルとなっているデイゴ並木の巨木が幹を引き裂かれるように倒壊、無残な姿で横たわり台風の脅威を感じさせた。
国道・県道では、冠水や崩土による通行止めが発生。宇検村と奄美市住用町を結ぶ幹線道路(県道)は、高さ15㍍付近から土砂が崩れ、道路を延長40㍍にわたりふさぎ、生活・通勤の足を奪った。
喜界町の特産品白ゴマの被害は、栽培面積の約7割に及ぶ大打撃。マンゴーの出荷時期にあたった徳之島町では、常温で空輸した品を、職員が鹿児島空港で冷蔵配送に切り替えるという〝苦肉の策〟を講じ対応した。
◇台風18号
13号の影響が薄らぎ、1年で最も重要な旧盆の時期を直撃したのが18号。徳之島や沖永良部島に「観測史上最大の暴風雨」をもたらし、甚大な爪痕(つめあと)を残した。
「危険半円」と言われる台風の北側(右側)に位置した徳之島では、25日から26日にかけ「線状降水帯」が発生、天城町では24時間雨量237㍉を記録した。
台風の暴風により、徳之島町文化会館(同町亀津)の屋根ははぎとられ、駐車場のフェンスを越えた町道に飛び散乱。伊仙町喜念の町道は冠水し、車1台がようやく通れる状態が長時間にわたり続いた。
同町では住家の被害も激しく、トタン屋根が吹き飛ぶなどして半壊2棟。一部損壊は群島全体で25棟、非住家被害7棟に及んだ。
◇停電・断水・通信障害
二つの台風に共通したのが停電。13号では最大4万戸以上、18号では最大3万4千戸以上で発生。停電に起因する断水も起こり、影響は天城町、徳之島町で計2000戸に及んだ。
停電は30日午後6時現在、完全復旧に至っておらず(天城町、伊仙町で約240戸が停電)、離島インフラの脆弱(ぜいじゃく)さを再認識させられた。
通信障害も重なり、スマートフォンの情報に頼りがちな若者世代を中心に打撃を与えた。
◇台風への備え
電機店やホームセンターで売れ行きが伸びたのが、家庭用発電機と電気式ランタン。停電に備え、冷蔵庫や照明器具用として使える発電機は、10万~30万円タイプが通常の5~10倍売れた店もあった。
13号接近時に完売状態となった電気式ランタンは、次の台風に備え購入しようとする客が多く、再入荷してすぐに棚からなくなったという。
◇九州電力送配電
九州電力送配電は「配電線自動制御システム」で、配電線の状態を常時コンピューターで監視。高圧線(黒い絶縁被覆で覆われた電線)に通電しない状態が生じると停電アプリに反映させ、復旧見込みなどの情報を提供している。
今回、復旧が長引いたのは2つの台風が連続した影響。電柱の倒壊や電柱が切断される状況が再発・悪化したためとみられている。
◇あまみエフエム
停電時、奄美大島に台風情報を伝え続けたのがあまみエフエム ディ!ウェイヴ。1時間ごとに約30分の生放送を行い、通行止め箇所、避難所、停電状況、充電スポットなど生活に密着した情報や、停電時の過ごし方までリスナーに語り掛け続けた。
停電時(災害時)のラジオは情報を伝えるだけではなく、島民の不安に寄り添い安心感や心の支えとなっていた。その存在の大きさを再認識させられた。