~セグロ危機~ 出荷時チェック、鹿児島県・奄美群島全域対象に秋カボチャからスタート 防除徹底、報告書に記載
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主にウリ科の果菜類・果実の重要害虫セグロウリミバエは、沖縄、奄美地域以外でも誘殺された。青果物卸売市場での確認で、出荷された寄主植物を介して移動した可能性がある。英名では「パンプキンフライ」ともされ、特にカボチャ生産で防除の徹底が求められる中、島外出荷にあたっての対策としてチェック体制が奄美群島全域を対象に2026年度産の秋カボチャ(収穫期は1月)からスタートする。農薬散布履歴の報告書を記載するもので、防除により発生を抑制していく。県経営技術課によると、鹿児島県外に所在する青果卸売市場で、植物防疫所が設置したトラップ(わな)にセグロウリミバエ(雄成虫1匹)の誘殺が確認されたもの。発生が確認されている県からの移動(寄主植物)とみられ、寄生された農産物が県外へ出荷されない対策の強化が必要となっている。奄美では共販集荷場の春カボチャから幼虫が確認され、収穫予定のほ場でも幼虫の確認が相次ぎ、一時出荷が停止となる事態が発生している。
県大島支庁がまとめた23年度農業生産実績によると、カボチャの生産量は群島計で701㌧、農業産出額は2億1816万円。島別でみた場合、喜界島(生産量388㌧、産出額1億1770万円)は生産量で55・35%、産出額で53・95%と1島で群島全体の半分以上を占めている。同島では9月頃に種をまき、1月頃に収穫する秋カボチャ(抑制カボチャ)と、1月頃に種をまき5月頃に収穫する春カボチャ(早熟カボチャ)を生産。他産地の出荷時期と端境期に出荷が可能で、「特に関東市場からの需要が高く比較的安定した取引価格が見込める作物」(町農業振興課)。近年、喜界島ででは主流の露地野菜として台頭しているという。
カボチャ生産が盛んな喜界島でのセグロウリミバエ説明会は今月18日にあり、生産者、町、JAなどの担当者が参加。経営技術課の堀江宏彰技術主幹兼技術環境係長が「セグロウリミバエに対する防除強化について」と題して講話した。説明によると、移動規制の緊急防除が行われている沖縄県では出荷前の目視検査が行われており、国(植物防疫官)と関係者で果実に幼虫の寄生がないことを確認できたカボチャのみ出荷(合格証明ラベル貼付)。生産者は原則出荷1か月前に移動検査申請を提出。関係機関が計300人以上、植物防疫員に任命され、出荷時に一つ一つ目視検査を行っている。
マンパワーの現状から奄美ではこうした取り組み(一つ一つ目視検査)は困難なため、▽薬剤防除の徹底▽不要果実の廃棄▽農薬使用履歴の確認▽選果等の徹底▽寄主植物の家庭菜園、島外持ち出し自粛の周知――といった対策を「奄美地域の農作物を守るため必須」とする。島外出荷にあたって秋カボチャから実施するのが報告書の記載。生産者が防除に用いた薬剤を記入しての農薬散布履歴を提出するもの。共販の場合はJAの既存履歴書でも対応可能という。共販なら生産者からの報告書をJAが引き取り、確認シールを貼り島内外へ出荷。県(特殊病害虫係)による二次チェック、国(門司植物防疫所名瀬支所)による三次チェックが行われる。共販以外の他の販路、有機栽培等は市町村が一次チェック、報告書と引き換えに確認シールを渡し、生産者が確認シールを貼って個人販売、市場持ち込みなどされる。
ミカンコミバエの誘殺が大量に確認され、奄美大島で緊急防除が行われた際にはタンカンの買い上げが行われたが、法改正(22年)で買い上げは限定的な処置(発生状況により必要な影響の範囲内)に変更された。
経営技術課の迫田隆仁課長は「カボチャ生産で群島内でも喜界町は突出しており、生産者に直接の説明会を行った。秋カボチャから始まる出荷時のチェック体制については関係機関(市町村等)に周知し、報告書の様式など伝えている。最も大切なのは大量発生させない防除の徹底であり、防除暦に基づいた取り組みを生産者はしっかりと行い、島外出荷が継続できるようにしてほしい」と呼びかけている。