鹿児島県 ルリカケスのヒナ巣立つ 親鳥と仲睦まじく 大和村くるぐる 来館者くぎ付け
📰 全文
大和村のアマミノクロウサギミュージアムQuruGuru(くるぐる)で、3月15日に生まれた2羽のルリカケスが巣立ちを迎えた。羽の特徴的なルリ色はまだなく、ぎこちなく枝に止まるヒナ。そこへ盛んにエサを運ぶ親子の仲睦まじい姿に、来館客はくぎ付けになっている。ルリカケスは、奄美大島、加計呂麻島、請島の3島にのみ生息するカラス科の留鳥。美しいルリ色と赤茶色の羽が特徴で国の天然記念物に指定されている。
ヒナが巣立ったのは今月9日。初めて外に出た2羽は、観客の視線を気にするように、巣箱の陰や地面の草陰に隠れて過ごしていたという。
現在は、20㌢ほどに成長したが、親鳥と比べるとひと回り小さく、黒いふわふわした幼鳥特有の羽が目立つ。15日は、ケージに降り注ぐ雨を避けるように、屋根のすき間で雨をやり過ごすことが多かった。
親鳥は、地面に置かれたエサ皿から飼育用のペレットやリンゴ、コオロギ(冷凍)をくわえて枝に上がり、咀嚼(そしゃく)した後、ヒナに受け渡す。オスもメスも同じ餌やり行動をとるが、メスの方が回数は多いという。
ルリカケスは、見た目から雌雄(しゆう)を判別するのはほぼ不可能。くるぐるの豊田英人獣医師(41)は14日、ヒナの血液を採取、東京都の上野動物園に送りDNA鑑定を依頼した。早ければ、2~3週間で結果が出るという。
ヒナの成長とともに「希少動物の繁殖・保全」の観点から、他動物園などとの「ブリーディングローン」(BL=動物の貸借)が必要になってくる。
BLは通常、日本動物園水族館協会(JAZA)に所属する施設間で行われるが、くるぐるは加盟していない。
豊田獣医師は「ルリカケスを域外飼育している施設は全国で5か所。DNA鑑定で2羽の遺伝的多様性を確保する必要がある。JAZAと協力していく」と話し、来年の繁殖期(2月~)までに、BLが行われる見通しを示した。
親子は、晴れた日の午前中、餌のやりとりを活発に行い、地面のプールで水浴びをすることもあるという。東京から観光で訪れた70歳代の夫婦は「ルリカケスの子育てをこれほど間近で見られるとは思わなかった。一生の思い出になる」と感慨深げだった。
くるぐるは18~20日、開所1周年記念サンクスフェスタを開催。入館料(大人千円、小中学生700円)が半額となる。