カゴミル 鹿児島の今のニュースを、まとめて。

← 一覧
鹿児島県 サトウキビ 干ばつ追い打ち 被害深刻化 徳之島南東部、一部で「立ち枯れ」も 潮風害と少雨が重なる
自然・火山 奄美新聞

鹿児島県 サトウキビ 干ばつ追い打ち 被害深刻化 徳之島南東部、一部で「立ち枯れ」も 潮風害と少雨が重なる

📰 全文
 【徳之島】梅雨明け以降、降雨量が平年を大きく下回る少雨傾向が続き、徳之島地区でも基幹作物のサトウキビに深刻な影響が広がっている。保水力の弱い海岸部のほ場では葉が巻く「ロール現象」が目立ち、とりわけ台風9号(7月10~12日)の潮風害(塩害)を受けた伊仙町目手久~検福地区では〝枯れすすき〟状に葉枯れが進行。一部では最悪の「立ち枯れ」も確認され、生産量への影響が懸念されている。

 奄美地方は7月1日頃に梅雨明けが発表された。梅雨期間(5月3日~6月30日)は台風接近などの影響で降水量が平年の約1・5倍となった一方、梅雨明け後は太平洋高気圧の勢力が強まり、連日の猛暑とともにまとまった雨が降らない状態が続いている。

 徳之島さとうきび生産対策本部(事務局・天城町農政課)によると、台風9号は徳之島を強風域に巻き込み最大瞬間風速21・7㍍、最大平均風速13・1㍍を観測。倒伏や折損などの直接被害はなかったものの、強風による高波で海水の飛散が長引き、少雨の影響で塩分が洗い流されなかったことから、南東部の海岸域を中心に潮風害が顕著となった。

 潮風害を受けたサトウキビは、葉部に浸透圧やイオンストレスが生じ、脱水による葉枯れや光合成の阻害など生育障害にさらされる。さらには干ばつ傾向が追い打ちをかけ、生産対策本部では被害ほ場の生育停滞を懸念している。

 南西糖業伊仙工場(伊仙原料事務所)によると、台風通過後の7月13日から31日までに同事務所で独自観測した降水量はわずか8・3㍉で、前年同期の約200㍉を大幅に下回った。潮風害による葉枯れ被害は、特に伊仙町目手久から検福にかけての海岸部約50㌶と、西犬田布地区約5㌶で深刻化しているという。

 同原料事務所長(53)は「一部では最悪の立ち枯れも発生している。製糖産業に携わって30年以上になるが、このような被害を確認したのは初めて」と危機感を示す。

 潮風害の軽減には、葉に付着した塩分を洗い流す散水が最も有効とされる。しかし、被害地域では末端の畑地かんがい設備(スプリンクラー)の老朽化による機能不全も指摘されており、迅速な設備更新や応急対策を求める声が高まっている。