「南極にいるくらい冷たい」猛暑の鹿児島・銭湯の水風呂に巨大な氷を投入 子どもたちから歓声
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7月23日、1年で最も暑さが厳しいとされる二十四節気の「大暑」を迎えた鹿児島県内では、8カ所で最高気温が35℃以上の猛暑日を記録した。そんな酷暑の中、鹿児島市の銭湯では水風呂に巨大な氷を投入するという"冷たすぎるサービス"が話題を集めた。子どもたちからは「南極にいるくらい冷たい」という声も上がり、夏ならではの笑顔があふれた。この日、鹿児島県内で最高気温を記録したのは肝付町前田の36.8℃。お昼過ぎの時間帯、人通りはほとんどなく、厳しい暑さが街を静まり返らせていた。鹿児島市でも最高気温36.2℃を観測するなど、文字通りの「大暑」となった。
こうした猛暑の中、鹿児島市下荒田の銭湯「錦湯」では、大暑恒例の氷サービスが行われた。大きな氷のかたまりを水風呂へ運び入れるというもので、井戸水を使用している水風呂の水温は普段23℃ほどだが、氷の投入によって約19℃まで低下した。
現場を取材した記者は「だいたい19℃。本当に芯から冷えそうな冷たさ」と伝えている。氷が水風呂へ運ばれると、子どもたちから歓声が上がった。「冷たくて気持ちいいです」「これが毎日あってほしい」「南極にいるくらい」といった声が相次ぎ、猛暑の一日に涼やかな笑顔が広がった。
錦湯がこのサービスを始めたのは少なくとも1990年以前のことで、当時のニュース映像も残されている。当時、約100kgの氷の値段は800円だったが、現在は2200円と倍以上に値上がりした。使う氷の大きさは36年たっても変わらないという。
物価高を背景に、県内の銭湯では値上げの検討が行われている状況だ。そうした中、錦湯はこのサービスを独自に続けている。銭湯の岩切純也さんはその理由をこう語る。
「『お客さんに喜んでもらえるサービスを』ということで始めた。氷を入れるたびにお客さんが笑いますから、その笑顔で氷の値上げ分は帳消しじゃないですか」
コストが上がっても、続ける意味はお客さんの笑顔にある——そんな思いが、この夏の風物詩を支えている。
大暑に巨大な氷で水風呂を冷やすというサービスは、一見シンプルながら、地域の人々にとって夏の到来を告げる象徴的な出来事となっている。錦湯のような地域の銭湯は、単に体を洗う場所にとどまらず、季節の行事を通じてコミュニティのつながりを育む場でもある。
物価高の波は銭湯業界にも及んでいるが、岩切さんの言葉が示すように、地域の人々との関係を大切にする姿勢がこのサービスを36年以上にわたって継続させてきた原動力だ。猛暑が続く鹿児島の夏に、錦湯の水風呂はきょうも涼を届けている。