鹿児島県 観察の森近くでノヤギ2頭 少種植物に食害恐れ 自治体で捕獲可能 環境省情報提供 龍郷町
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龍郷町の長雲峠にある奄美群島国立公園ビジターセンター奄美自然観察の森近くで15日、ノヤギ(野生化したヤギ)2頭が目撃された。ヤギは国際自然保護連合(IUCN)が「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定しており、家畜として飼養されず野生化することで希少種や固有種の植物に食害が及ぶ恐れがある。「ノヤギ特区」により奄美大島5市町村は捕獲しての駆除が可能なことから、環境省は地元自治体に情報提供している。奄美新聞記者が目撃し写真撮影したのは、瀬留集落側から観察の森に向かう町道を通り十字路を右折して数十㍍程度進んだ箇所。道路の右側にノヤギ2頭(いずれも成獣)を見つけ、カメラを構えると逃げるように樹木林の中に移動。2頭のうち1頭が撮影された。
観察の森の川畑力指導員が写真を見てノヤギに間違いないことを確認した。広大な森林公園の観察の森は、奄美群島国立公園第1種特別地域にも指定されており、森内を散策しながら奄美固有の植物や野鳥、昆虫などを観察できる。川畑指導員は「今月に入り来園者からヤギを目撃したという情報が寄せられている。同じものではないか。観察の森内には出没していない」と語り、「瀬留集落などでヤギが飼育されているという情報は把握していない。ヤギは植物を根こそぎ食べてしまうだけに放し飼いなどせず適切に飼育してほしい」と話す。
環境省奄美群島国立公園管理事務所によると、ノヤギのモニタリング調査は県が行っている。船に乗り込んでの海上調査で、島の沿岸部を対象に実施。元々は海岸部分や崖などに生息していたが、徐々に内陸部に広がって来たとみられ、内陸の情報は少なく実態が分からないという。同事務所は「同様の目撃情報が寄せられていることから役場に連絡している。特区により奄美大島5市町村は捕獲できる」とし、「当初はノヤギによる食害でのり面の崩壊など安全面が問題になったが、世界自然遺産に登録されている島であり、外来種(ノヤギ)として対策を図り、希少種などを保護しなければならない。ノヤギが増えているという情報もある」と指摘する。
ノヤギは鳥獣保護法の対象で、原則として捕獲できず、駆除するには有害鳥獣として事前に知事の許可を得なければならない。そこで5市町村の政府への働き掛けで2010年に「ノヤギ特区」に選定され、ノヤギを「狩猟鳥獣」に追加し、狩猟期間に自由に捕獲できるようになった。特区によりノヤギの駆除推進が期待されたが、捕獲や後処理の難しさなど課題を抱えている。