「見つけたい」嶺臣ちゃんの父親が初めてカメラに思い語る 霧島市の温泉施設で行方不明から3週間 父親が漁船で海上捜索
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鹿児島県霧島市の温泉施設で5歳の男の子が行方不明になって3週間以上が経った。熊本県八代市在住の保育園児・田中嶺臣ちゃんを探し続ける父親は7月15日、地元漁師の協力を得て、初めて海上捜索に臨んだ。双眼鏡を手に船から身を乗り出す父親の姿が、鹿児島テレビのカメラに初めて映し出された。嶺臣ちゃんが姿を消したのは6月21日のことだ。霧島市隼人町嘉例川にある温泉施設「かれい川の湯」で、両親が3分ほど目を離した間に行方がわからなくなった。
浴室の窓は開いており、施設のそばには川が流れていた。この状況から、警察は嶺臣ちゃんが窓から外に出て川に落ちた可能性があると判断。これまでに警察と消防あわせて延べ約960人が投入され、捜索が続けられているが、発見には至っていない。
嶺臣ちゃんが落ちた可能性がある天降川は、錦江湾へとつながっている。海に流れ着いた可能性があると考えた両親は、行方不明から3週間以上が経過したこの日、初めて海上での捜索に踏み切った。
7月15日午前6時半、霧島市隼人港に嶺臣ちゃんの両親や親族など約20人が集まった。協力を申し出たのは、地元漁協に所属する岩元勇雄さんだ。ニュースを見て周囲の漁師に声をかけ、この日は7隻の船が集まった。
岩元さんは「潮目を探している。少しでも力になることができれば」と話した。
7隻の船は100メートルずつ間隔をとって横一列に並び、午前7時ごろに出航した。まず霧島市福山町沖を捜索し、次に桜島へ向かい、そこから姶良市沖を北上して隼人港へ戻るルートで海面を丹念に確認していった。
行方不明になってから毎日欠かさず現場を訪れてきた父親は、船から身を乗り出すようにして双眼鏡をのぞき込み、あらゆる方向に視線を向け続けた。
「一生懸命、嶺臣が見つかることを願って見ている」
父親はそう言葉を絞り出した。
この日は予想以上に波が高く、途中で5隻が離脱を余儀なくされた。最終的に2隻の船が午前11時ごろまで捜索にあたったが、嶺臣ちゃんは見つからなかった。
岩元勇雄さんは「厳しいですね。お父さんの気持ちになったら、何とかしてあげたい」と肩を落とした。
父親は捜索を終えてこう語った。「海に出て捜索する機会はこういうことでしかないと思うので。見つからなかったのは残念」。そして漁協の関係者への感謝も忘れなかった。「漁協組合の皆さんにはとても感謝している。見つかる可能性はあるので一生懸命探して見つけたい」。
ボランティアによる海上捜索が行われた15日から2日後の17日には、消防と警察あわせて約70人態勢で現場周辺の一斉捜索が予定されている。
行方不明から3週間以上が経過した今も、両親や地域の人々が手を取り合って捜索を続けている。「見つかる可能性はある」という父親の言葉が、この捜索活動を支える力となっている。嶺臣ちゃんの一刻も早い発見を、関係者全員が願い続けている。