「世界レベルのヴィーガン寿司ができた」 サンプラザ中野くんが鹿屋に月1通いする理由【鹿児島】
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大ヒット曲「Runner」でおなじみの歌手・サンプラザ中野くんが、鹿屋市の隠れた魅力に惚れ込んでいる。片道7時間をかけてでも足を運ぶ理由は、畜産大国のイメージとはまるで異なる意外な一面にあった。完全菜食主義者(ヴィーガン)である中野くんが語る「鹿屋の食」とは何か。そして、鹿屋市が世界に向けて放つ新たな可能性とは。トレードマークのサングラスをかけ、鹿屋市役所を訪れたサンプラザ中野くん。この日は知人とともに郷原拓男市長と面会した。実は中野くん、2年ほど前から月に1度のペースで鹿屋市に通い続けているという。
「私が住んでいる所からですと、鹿屋のホテルまで片道7時間!」
忙しいアーティスト活動の合間を縫って、それだけの時間をかけて鹿屋を目指す。一体なぜなのか。
「私の場合は食ですね。鹿屋、大隅、とても食材が新鮮で豊富で来させていただいております」
鹿屋といえば、鹿児島黒牛や黒豚で知られる畜産大国だ。しかし中野くんは、動物由来のものを一切口にしないヴィーガン。牛も豚も、魚介類も食べない。それでも鹿屋に通い続けるのは、この地の野菜に深く惚れ込んでいるからだ。
実際に中野くんが訪れた地元の老舗すし店「栄楽寿司」。店主の米川淳司さんによると、当初ヴィーガン対応という難題を前に頭を抱えたという。
「伝家の宝刀を使えない。地魚とか魚を使ったのが自慢なので、その技術を使えないのは困ったなあと」
米川さんが絞り出した答えは、素材ごとに異なる味付けのシャリだった。
「1、2、3、4、5種類のシャリがあります。味が違うのが。素材によって味を変えます。野菜はそれぞれに仕込みをしてあって、しょうゆをつけずにシャリに味を付けて食べる」
こうして完成したのは、桜島大根のたまり醤油漬けや「光るタマネギ」の握りなど、これまでにない創作ヴィーガン寿司だ。中野くんは、その出来栄えについて「本当に感動しました。多分、世界でもトップレベルのヴィーガン寿司ができたと思います」と郷原市長に熱く語った。
中野くんの言葉は、単なる称賛にとどまらない。鹿屋が世界市場に打って出るための具体的なビジョンとして語られた。
「都会には(ヴィーガンは)多いですが、ヴィーガンとなるとマーケットとしては世界中のヴィーガンが来ると思う」
米川さんもその可能性を肌で感じ取った。
「全国から、世界から人が呼べるのではないか。外国人の大型客船も大隅半島は観光地も食もいっぱいあるが、ヴィーガンの方が来れるのではないかといういいきっかけになったと思う」
大隅地区では現在、クルーズ船で鹿児島市を訪れた観光客を呼び込もうとさまざまな取り組みが進んでいる。ヴィーガンという切り口は、その新たな一手として注目を集めそうだ。
鹿屋の魅力は畜産だけではない。中野くんはそれを誰よりも実感している一人だ。
「畜産もすごくメジャーな所だと思うが、実は野菜や海藻、お米、お茶、そういうものも非常に頑張っていらっしゃいますよね。ヴィーガンで鹿屋を世界レベルで有名にすることができるのではないかと思う」
面会の場では、郷原市長から思わぬオファーが飛び出した。
「将来的には鹿屋の『ばら大使』とか」
すると中野くんは即座に反応した。
「ばら大使!? やった!! 実はバラを育てていて、結構バラが好きで」
鹿屋市は「かのやばら園」を有するバラの名所としても知られる。中野くんが「かのやばら大使」として鹿屋をPRする日も、そう遠くはないかもしれない。
郷原市長もこの日の面会を振り返り、こう語った。
「サンプラザ中野くんの鹿屋愛というのを感じて、改めて全国に誇れる地域だと認識した」
2026年8月には、35年ぶりとなる武道館ライブを控えるサンプラザ中野くん。舞台への準備を続ける中でも、鹿屋通いは欠かさない。
「鹿屋の人は心がわっぜぇきれいです! なので楽しく過ごさせていただいております」
鹿児島の方言「わっぜぇ」(とても、非常に)を自然に使いこなすほどの鹿屋への愛着。月に1度、7時間かけて通い続ける歌手が語る鹿屋の食と人の魅力は、地元に暮らす人々にとっても、改めて地域を誇る契機となりそうだ。