鹿児島県 ノルウェー人著作家が講演 「家族は患者の専門家」 世界の認知症ケア
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国際的な女性ボランティア奉仕団体、国際ソロプチミスト奄美(竹山蕗子会長)が主催する認知症ケアに関する講演会が19日、奄美市名瀬のホテルサンデイズ奄美であった。関係者含む約100人が参加。福祉先進国ノルウェーの著作家が、認知症介護について自らの経験を語り、「認知症が生活の一部になったとき、家族介護者の果たす役割はなにか」との問いを投げ掛けた。講演者は、2023年秋に奄美大島を旅行で訪れた際、認知症介護の本を書き上げたというノルウェー人のマリアンヌ・ダニエルセン氏(50)。このとき知り合った竹山会長との縁で、家族を伴って来島した。
マリアンヌさんは、アルツハイマー病と診断された母親の介護を自宅で約15年間経験。家族の洋服を手作りするほど手先が器用で明るかった母が、自らの病気を恥じ、心を閉ざしていった様子を語り始めた。
徐々に言葉を発することができなくなり、記憶をなくしていった母と娘を再び結びつけたのは音楽。若い頃聴いた曲を流すと、笑顔が戻り歌を口ずさむようになったという。
つらかったことは、周囲の偏見とスティグマ(負の烙印)。「何もできない」「恥ずかしい」といったレッテルを張られ、苦しみや葛藤が募っていったという。
現在、ヨーロッパを中心に認知症に関する講演活動を行っているマリエンヌさん。「偏見をなくしていくためには、オープンであることが大事。病気や介護の実態を広く知ってもらうことで理解が深まる」と訴えた。
家族介護者としての役割については、▽患者を誰よりも知る「専門家」▽代わって意思表示する「代弁者」▽精神的に支える「伴走者」▽ケアを行う「支援者」――となることが必要と語った。
その上で、「介護者は自分自身をいたわりセルフケアすることを忘れないでほしい。ひとりぼっちにならないで」と語り掛けた。
講演を終えマリアンヌさんは「ノルウェーは税金が高いため、介護制度に対する不満も大きい。認知症薬の承認もされていない」と現状を説明、「東京では、認知症患者が働くカフェがあった。素晴らしい取り組みだと思う」と話した。
奄美市の83歳の女性は「自分も直面するのではないかとの不安は常にある。実情を知る努力をしていくことで、少しでも備えなければならない」と話した。