鹿児島県 ツクシヤマザクラ移植 車おはらい場から緑地帯へ 名瀬高千穂神社境内 高さ3㍍、クレーン車で
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奄美市名瀬の高千穂神社(昇清隆宮司)境内には樹齢約90年のツクシヤマザクラ(筑紫山桜)が植樹されている。樹勢回復へ昨年2月、土壌改良・地力回復治療が行われたが、植樹場所が車両のおはらい場に面しているため8日、市内の造園会社による移植作業があり、近くの緑地帯に移された。作業に取り組んだのは名瀬平松町にある㈲中山造園。瀬戸内町加計呂麻島・諸鈍集落のデイゴ並木樹勢回復に樹木医と共に取り組んでいる実績がある。
昨年2月の治療では外観診断後、桜の周囲6か所に「ブレスパイプ」という竹筒型の土壌改良剤を埋め込んだ。1年後の移植作業について中山さんは「神社から車おはらい用の駐車場を設けると聞き、移植を無償で引き受けた。治療から1年が経過したが、1㍍程掘り下げたところ地表近くに細かい根を張り、力を蓄えることができたのではないか。2~3月の開花時期には白い花を咲かせた」と説明する。
作業は4人がかりで午前8時から開始。枝葉部分の強剪定(せんてい)、水分が出ないよう薬剤散布などを施した後、クレーン車を使い高さ約3㍍の桜を持ち上げ、移動させた。植え替えた場所はすぐ近く。同じツクシヤマザクラも植樹された場所。「腐葉土が多く適している。また、おたき上げが行われた場所で灰によって土がふわふわしている」(中山さん)。正午前には無事に移動。土を掘り下げて植樹、土壌改良剤は10本埋め込む予定。中山造園では今後も高千穂神社のツクシヤマザクラに関わり、定期的に樹勢状態をチェックしていくという。
この桜は1935(昭和10)年、同神社の社格が「郷社」から「県社」に昇格したことを記念し、当時の宮司が植樹したとされている。