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断食祈願の地で田植え 高千穂神社で初の御田植祭 奄美市名瀬
政治 南海日日新聞 👁 2

断食祈願の地で田植え 高千穂神社で初の御田植祭 奄美市名瀬

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 鹿児島県奄美市名瀬の高千穂神社(昇清隆宮司)は8日、同神社の旧社殿跡地で御田植祭(おたうえさい)を初開催した。同地は「復帰の父」泉芳朗が日本復帰を祈願して断食した場所として知られる。神事と田植え作業には関係者約30人が参加。五穀豊穣(ほうじょう)と平和を願うとともに、先人の偉業を語り継ぐ思いも新たにした。

 神事は現社殿と跡地の2カ所で執り行われ、祝詞を上げた後、同神社の総代らが玉串をささげた。神事後は参加者一人ひとりが順番に水田に入って苗を1株ずつ丁寧に植え付けた。

 同神社によると、神殿は1930(昭和5)年に現在の場所に移された。御田植祭のために跡地に土と水を入れて縦3メートル×横3メートルと縦1メートル×横2メートルの大小二つを造った。

 昇宮司(79)は「もともと神事は稲作にゆかりがあるものが多い上、復帰運動を語り継ぐためにもこの場所で御田植祭を行う意味は大きい」と話し、「田植えを手伝った幼い頃を思い出した。今後もぜひ継続したい」と笑顔を見せた。

 田植えに用いた苗は奄美稲作保存会(小池弘章代表)が用意した。同会は2016年から龍郷町秋名で稲作の継承に取り組んでおり現在、会員約30人。今回は古代米の神丹穂(かんにほ)と神力(しんりき)の2種を植えた。

 神丹穂は赤と白2種類の米ができ、白い米はノロやユタが神事で用いていた品種ではないかという説もあるという。小池代表(43)は「水持ちが良く田んぼに適している場所。どんな米ができるか楽しみ。ちょうど六月灯の時期に収穫期を迎えるはず」と話した。

 泉芳朗は、米軍統治下の奄美で奄美大島日本復帰協議会議長を務めた政治家。1951年の8月1日から5日にかけて同神社で実施した復帰祈願のハンガーストライキや、全国で展開した「百万人署名運動」など非暴力を貫いたことから「奄美のガンジー」とも称される。