「うふくんでーた」にっぽん丸 5月に引退、奄美群島最後の寄港 喜界島
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商船三井クルーズ(東京)が運航する客船「にっぽん丸」(内田幸一船長、2万2472トン)が21日、鹿児島県喜界島の湾港に入港した。同船は5月10日の横浜港帰着を最後に引退することが決まっており、今回が奄美群島への最後の寄港。出港時は川畑さおりさんら地元唄者が島唄を響かせる中、集まった住民たちも六調で盛大に見送り。「うふくんでーた(ありがとう)」と大きく手を振って、同船を送り出した。1990年に就航した3代目「にっぽん丸」は、2012年に同島初のクルーズ船寄港として受け入れ準備が進められていたが、天候不良により入港を断念。16年の計画も抜港となり、翌17年4月に初めて寄港した。地元ガイドと巡る集落歩きなどが好評で、寄港回数は通算5回。21日は乗客約350人が島内散策を楽しんだ。港そばの公営施設では奄美黒糖焼酎やゴマなど特産品販売もあり、多くの客でにぎわった。
乗客の小林すみ子さん(78)=石川県=は「昨年(天候不良で)寄港できなかったのが残念で、最後の機会に乗船した。小さく、いろいろな魅力が凝縮された島。親しい乗組員の故郷ということもあり、喜界島に来られてうれしい。最高」と喜んだ。島内ガイドを務めた同町中里の依田菜奈美さん(43)は「島の日常を身近に感じてもらえてうれしかった」と語った。
同船の永井晶パーサー(52)は喜界町赤連出身。乗組員として古里に寄港できたことを「かけがえのない財産」とした上で、「百之台からの眺望やサンゴの石垣に感動したとの声をいただき、古里の良さを再認識できた。港での心温まる歓迎には胸が熱くなった。島の人たちの優しさが、お客さまにとって一番の思い出になったと思う」と話し、郷里への感謝を述べた。