奄美の縄文時代を疑似体験 宇宿貝塚史跡公園リニューアルオープン 奄美市笠利町
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内装改修のため、2025年8月から休館していた鹿児島県奄美市笠利町の宇宿貝塚史跡公園が22日、リニューアルオープンした。歴史資源とデジタル技術を融合した没入型の展示を新たに導入。臨場感を味わいながら奄美の縄文時代の暮らしが体験できる。この日はセレモニーがあり、関係者約50人が出席。観光、教育、環境の複合拠点となる施設の完成を祝った。同公園はリニューアルオープンを記念し、26日まで入園無料となっている。宇宿貝塚は、笠利町宇宿にある縄文時代から中世にかけての複合遺跡。1986年に奄美群島で初めて国史跡に指定された。
同公園は宇宿貝塚の真上に整備し、発掘調査で発見された遺構などを埋め戻さずに露出展示。縄文時代の石組竪穴建物跡をはじめ、各時代の生活の様子が分かる史跡を調査当時のまま保存、公開している。史跡を保護する覆屋(おおいや)施設は鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は1123・517平方メートル。公園全体の面積は3563平方メートル。
宇宿貝塚の恒久的な保存や「奄美の縄文生活」の発信、SDGs(持続可能な開発目標)の推進などを目指し、24年から段階的に施設を整備。25年度は事業費約1億5千万円をかけ▽幅24メートルの大型プロジェクション映像や、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)技術の導入▽発掘体験コーナーの設置▽老朽化した施設の屋根・壁面の改修─などを行った。国の「新しい地方経済・生活環境創生交付金」を活用した。
セレモニーで安田壮平市長は「世界自然遺産に登録された奄美大島の豊かな自然環境と合わせ、本市の歴史、文化の魅力を体感してもらうことで、滞在価値の向上と交流人口の拡大につながると確信している。市民にとっても、憩い、学び、交流する場として親しまれ、地域に根差した場所として育まれていくことを願う」などとあいさつした。
覆屋の整備は今回で一区切りとし、今後は遺跡自体の整備が予定されている。