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鹿児島県 龍郷町秋名・幾里「ショチョガマ」 8年ぶり〝下畔枕〟 片屋根、北に倒れる 夕方にはネリヤに祈願の「平瀬マンカイ」
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鹿児島県 龍郷町秋名・幾里「ショチョガマ」 8年ぶり〝下畔枕〟 片屋根、北に倒れる 夕方にはネリヤに祈願の「平瀬マンカイ」

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 国の重要無形民俗文化財に指定されている龍郷町秋名・幾里集落のアラセツ(新節)行事「ショチョガマ」と「平瀬マンカイ」が19日、同地区の山腹と海岸であった。早朝行われたショチョガマでは、通常南側に倒れる片屋根が北側に倒れる「下畔枕」(シャーアブシマクラ)が2018年以来8年ぶりに発生。グジ役(神役)の隈元和範さん(67)は「この行事では4回目。観衆は貴重な機会を目にした。大豊作の兆し」と解説した。

 両行事は、旧暦8月の初丙(はつひのえ)に五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈願する伝統祭事。400年以上の歴史を持つとされる。

 祭事は、まだ薄暗い早朝に始まる。設営作業に参加したボランティアを含む約100人が次々とわらぶきの片屋根に上がり、午前5時半頃、先頭の男衆がチヂン(太鼓)を鳴らし地区に祭りをふれる。
 その後は、午前6時7分の日の出に合わせ進行し、グジ役は屋根に上がりカシキ(赤飯)、焼酎、ミキを捧げ準備を整えた。

 男衆が豊年唄を歌って稲霊(いなだま)を招き、「ヨラ、メラ」の掛け声とともに屋根を揺すると次第に北に傾き、6時半頃、約7㍍の本柱が音を立て倒れた。祭場は拍手に包まれ、参加者はわらの上に輪になり八月踊りを踊った。

 片屋根を見下ろす崖の上から見守った隈元さんは、「思わぬ展開だったが、観衆にとっては貴重な機会となった。たまにしか起こらない下畔枕も豊作を表す吉兆。来年は大豊作となる」と語った。

 祭事には、産まれたばかりの赤ちゃんを屋根に乗せ健康を祈願する習わしがある。本山健太さん(33)は三男、莉久ちゃん(1)を抱き、長男、陽翔(はると)君(7)、次男、侑歩(ゆうほ)ちゃん(3)とともに参加。

 「地元の行事が文化財となっていることは誇り。子どもたちにも伝え残したい。家族で踊り、すがすがしい気分」と晴れやかな表情だった。

 午後4時からは、秋名湾西側の海岸で海の彼方のネリヤ(楽園・異界)に祈願する「平瀬マンカイ」が行われた。白装束や絣(かすり)に身を包んだ男女は、向かい合った二つの岩で歌を掛け合った。

 「女童(めらべ)平瀬」で男女が輪になり踊り始めると、「神平瀬」のノロ役は岩に座り、ネリヤに向かい豊作を祈願した。

 奄美市名瀬から訪れた60代の女性は「40年近く奄美大島に住んでいて初めて見る。行事の謂(いわ)れも分からず見学したが、伝統や神秘的なものを感じた。来年は、歴史を理解した上で来たい」と話した。