カゴミル 鹿児島の今のニュースを、まとめて。

← 一覧
奄美のスナホリガニ研究で最優秀賞 外山さん(名柄小)日本理科教育学会全国大会
観光・グルメ 南海日日新聞

奄美のスナホリガニ研究で最優秀賞 外山さん(名柄小)日本理科教育学会全国大会

📰 全文
 鹿児島県宇検村立名柄小中学校(上江洲照男校長、児童生徒11人)の小学6年生・外山海凪(とやま・みなぎ)さん(11)が、8月23日に鹿児島市で開催された「日本理科教育学会第76回全国大会」のポスター発表で、最高賞に当たる「最優秀発表賞」を受賞した。小学生が同賞を受賞するのは大会初の快挙。奄美大島の砂浜に通い詰めてスナホリガニ類の分布と生態を調べた成果、堂々とした発表姿勢や将来性が高く評価された。

 児童生徒の理数系資質向上を目的に一昨年度から「ジュニアセッション」として行われている同発表。従来は中高生対象だったが、今回から小学5年以上にも門戸が広げられた。

 外山さんは大阪府出身。大規模校に通っていたが、観光で訪れた奄美の自然に魅了され、小学3年時に家族で同村へ移住した。同村のタエン浜で偶然見つけたスナホリガニに引かれ、育成事業「かごしま未来創造ラボ(奄美ラボ)」への参加を機に、文献の少ない同種の本格的な調査に乗り出した。

 研究テーマは「奄美大島におけるスナホリガニ類の分布と生態―2025年7月~2026年2月の調査に基づいて―」。約8カ月間で島内15カ所の海岸を訪れ、捕獲した計135匹(スナホリガニ133匹、ミナミスナホリガニ2匹)の計測や各海岸の水温、砂質を分析。52匹の抱卵個体も確認した。

 調査からは奄美ならではの生態が判明。本州では冬に砂深く潜むとされるが、通年で水温が高い奄美では冬も活発で、1月にも抱卵個体が見つかった。また、白砂では白系、黒砂では濃い体色の個体が多く、砂浜の色に合わせて体色を変える可能性を提示。さらに甲長約45ミリと図鑑の標準サイズを大きく超える大型個体も発見した。

 外山さんの探究心はとどまらない。体色変化の客観的データを補うため、今年5月から自宅で5匹の飼育実験を開始。砂の色による体色変化の観察を続けている。

 全国大会では約20人の審査員らを前に堂々と説明。「『すごい調査だね』と共感してもらえてうれしい」と笑顔を見せた。愛犬を病気で失った経験から将来の夢は「獣医師」。「今後は定点調査を行い、体色と砂色の関連も詳しく検討したい」とさらなる探究へ意欲をみせている。