鹿児島県 与論島に初の女性警察官 巡査長の大山千乃さん 「島民の安心安全守る」
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【沖永良部】今春、与論島に初の女性警察官が配属された。島民から温かく迎えられた巡査長の大山千乃さん(26)は「島の安心安全を守りたい」と笑顔を見せる。鹿屋市出身。駅伝大会で先導する白バイ隊員の姿に憧れ警察官を志す。2020年1月に警察学校を卒業後、交番勤務を経て、23年に交通機動隊に入り念願の白バイ隊員となった。
24年11月には、ヨロンマラソンの白バイ先導役に抜擢。うれしさの一方で「与論島ってどこにあるの」と疑問が浮かんだ。それまで、家族旅行で訪れた種子島より南の県内離島に行ったことがなかった。
それから1年4か月後、沖永良部警察署与論幹部派出所への異動が決まる。
「与論に女性の警察官が来た」――。情報は瞬く間に島内を駆け巡り、大山さんは注目の的に。初めての離島勤務に不安を抱えていたが、「会う人たちがみんなあいさつしてくれる。ウェルカムな感じがすごくいい」。家族のように接してくれる島民の優しさに笑顔が戻った。今回の赴任を島民が最も喜んでいる。
5月から交通担当として、観光シーズンを迎えた島内の交通安全や治安維持に目を光らせる。社会人を対象にした交通安全講話では、同署管内における飲酒運転の現状を重点的に説明し「絶対にしない、させない」と強く呼びかけた。交通死亡事故ゼロが今年の目標だ。
派出所の署員は大山さんを含め6人。事件が発生した場合、担当を越えて捜査を行う。近年では、盗撮や暴行など女性が被害者となる事案も島内で発生し、女性警察官として何ができるか日々考えて業務にあたっている。「被害を受けても言い出せない人がいるかもしれない。新たな被害者を出さないためにも相談してほしい」。
派出所の新しい仲間となった大山さんを先輩署員らも歓迎する。1989年に建てられた派出所に初めて女子更衣室ができ、現在も職場環境の改善が進んでいる。警部の郡山悦臣さん(48)は「『派出所の雰囲気が変わったね』と町の人が言ってくれる。トイレなど不十分なところもあるが、不安を抱えず楽しく過ごせるよう署員全員でサポートしていく」と話す。派出所の変化は警察のイメージアップにつながる。
警察官採用試験の受験者数が減少する中、仕事の魅力を伝えていくことも大きな役目。「警察官になりたいと思ってくれる子どもたちを増やしたい」。みんなが憧れる警察官を目指す。