鹿児島県 セグロ危機 誘殺数1か月まとめ前回比 全体で4割、徳之島は6割減 防除対策、啓発チラシなどで周知徹底 「楽観できない」も
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主にウリ科の果菜類・果実の重要害虫セグロウリミバエの奄美地域での確認状況は、設置している調査用トラップ(わな)で誘殺された数を県が1か月まとめで公表している。最新が6月23日~7月21日で誘殺数は521匹となり、前回(5月19日~6月22日計875匹)と比較すると4割も減少した。なかでも徳之島が著しく3町計で6割減少、防除対策の周知を図るため啓発用チラシを作成し全戸配布などの取り組みが浸透につながりつつある。徳之島3町の誘殺数を前回と比較すると、群島内で最多だった伊仙町は240→73匹、徳之島町183→55匹、天城町113→77匹といずれも大幅に減少。100匹以上はなく、群島最多は知名町(89匹)だった。3町計の誘殺数は205匹で、前回の536匹から61・75%減少した。
徳之島3町が際立っているが、誘殺数の減少について農林水産省門司植物防疫所は三つの要因を挙げる。▽高温の夏場は活動が弱まっている▽徳之島では5~6月にかけて寄主植物でカボチャ栽培が盛んだったが、現在は終了している▽各町が防除対策の周知をしっかりと行っている――で、「家庭菜園・畑にあるウリ科等の不要な果実の片付け徹底、害虫防除を行わない家庭菜園での栽培自粛と住民の皆さんの理解・協力が欠かせないだけに、引き続き対策の周知を図っていただきたい」(同防疫所)。
群島内で最も誘殺数が多い状況が続いていた伊仙町では、町ホームページや防災行政無線、啓発チラシなどを通して「まん延防止のお願い」を町民に呼びかけ。「町内においてセグロウリミバエの成虫及び幼虫が常時確認されている」として、①農薬散布・袋掛けなどの適切な防除②不要な果実を放置しない③管理できないウリ類は植えない――といった取り組みを求めている。
セグロウリミバエの発生地域は中国、台湾、インド、東南アジアなどだが、専門家は「熱帯や亜熱帯に生息するわりには、寒さに強く高温に弱い。英名では『パンプキンフライ』ともされているだけに、(誘殺数の減は)カボチャ栽培と関係していることも考えられる」とし、「一つのトラップで多量の誘殺があるような爆心地は減っているようだ。だが、決して楽観できない。不妊虫放飼の前に野生の密度を下げる取り組みが重要になる」として引き続き住民一人一人への情報浸透の大切さを挙げている。
なお、移動規制を伴う緊急防除が実施されている沖縄県内では34市町村でセグロウリミバエが確認されており、毎週2000万匹の不妊虫をヘリコプターで放つなど根絶に向けた対策が続く。こうした取り組みの一方、同県は被害拡大を防ぐため家庭菜園でウリ科植物の栽培を控えるよう呼びかけているものの、十分に浸透せず課題となっているという。