鹿児島県 85歳・赤崎冨千郎さん(徳之島町) 深夜の鍛錬で再び大会新 鹿児島マスターズ100㍍走制す
📰 全文
【徳之島】鹿児島市でこのほど開かれた第42回鹿児島マスターズ陸上競技選手権大会(鹿児島マスターズ陸上競技連盟主催)の男子85歳代(M85)100㍍走で、徳之島町母間の赤崎冨千郎さん(85)が17秒75の大会新記録を樹立し、優秀選手賞にも輝いた。5年前のM80での大会新記録、九州大会優勝に続く快挙で、「努力を重ねれば離島のハンデは乗り越えられる」との信念を結果で示した。赤崎さんは日置市出身。製糖会社への入社を機に20代で徳之島へ渡り、社会人軟式野球チームを立ち上げるなど島内の競技人口拡大に尽力した。審判講習会の開催をはじめ、軟式野球連盟会長、陸上競技連盟会長などを歴任し、民生委員や徳之島町母間校区振興会会長、町高齢者クラブ連絡協議会事務局長なども務めるなど、長年にわたり地域スポーツと地域づくりを支えてきた。現在は町グラウンド・ゴルフ連盟会長として競技の普及に取り組んでいる。
マスターズ陸上に挑戦を始めたのは68歳の頃。地元の仲間に誘われたことがきっかけだった。これまで15回ほど県大会に出場し、5年前のM80・100㍍では16秒54の大会新記録を樹立。22年ぶり記録更新を果たし、九州マスターズ選手権(沖縄県)では金メダルを獲得した。
今回の鹿児島大会は6月14日、鹿児島市の鴨池白波スタジアム補助競技場で開催。赤崎さんはM85・100㍍走で17秒75の大会新記録で優勝して「優秀選手賞」にも選ばれた。9月27日に佐賀県・SAGAスタジアムで開催される第42回九州マスターズ陸上競技選手権大会への出場権を獲得した。
その走りを支えるのは、長年積み重ねてきた独自のトレーニングと徹底した体調管理だった。練習は日中の暑さを避け、徳之島町健康の森総合運動公園陸上競技場でなんと深夜0時頃から始めるという。外周約800㍍を5周歩いて十分に体を温めた後、100~150㍍のダッシュを10本前後繰り返す。
「若い頃のように闇雲に走ると肉離れなどのけがにつながる。大切なのは、どの筋肉を使うかという軸足の使い方やフォームづくり。しっかり体を慣らしながら徐々にスピードを上げていくことが重要です」と赤崎さん。基礎体力の維持と故障しない体づくりを何より重視し、ラジオの深夜放送を聞きながら黙々と鍛錬を続けている。
大会新記録にも慢心することなく、視線はすでに九州マスターズや室内競技大会へ向いている。
そして「自分が元気でいるだけではなく、島のみんなにも健康でいてほしい。挑戦を続けることで、地域の健康づくりや活気につながればうれしい」と笑顔を見せる。
長年支え続けてくれる妻への感謝を胸に、赤崎さんは今日も深夜のトラックで、新たな記録を目指して一歩一歩走り続けている。