カゴミル 鹿児島の今のニュースを、まとめて。

← 一覧
アマミヤマシギとオオトラツグミ 奄美2種の保護増殖事業完了 全国初、環境省が宣言 生息状況「年々改善」 鹿児島県
事件・事故 奄美新聞 👁 1

アマミヤマシギとオオトラツグミ 奄美2種の保護増殖事業完了 全国初、環境省が宣言 生息状況「年々改善」 鹿児島県

📰 全文
 環境省は30日、鹿児島県・奄美群島に生息し絶滅の恐れがあった野鳥で希少種のアマミヤマシギとオオトラツグミの保護増殖事業を完了したと発表した。全国で策定・推進する79種・58計画のうち、事業が完了したのは初めて。会見に臨んだ同省沖縄奄美自然環境事務所の大林圭司所長は「両種の生息状況は年々改善し、完了が妥当だと判断した。本日を以って保護増殖事業を完了する」と宣言。26年にわたる成果が実った。

 2種の保護増殖事業は1999年度から実施してきた。個体数や生息地の減少などから、93年に種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に指定。06年には、絶滅の危険が増してるとして、レッドリストの分類を「絶滅危惧Ⅱ類」に引き上げた。

 報告によるとアマミヤマシギは、07年に推定4千羽だった奄美大島、加計呂麻島、徳之島の個体数が、21年には約1万7千羽までに増えた。07年頃に2千羽前後だった奄美大島のみに生息するオオトラツグミは、13年度には約5千羽と順調な回復をみせた。

 改善には、マングースの根絶やノネコ対策の前進といった外来種の駆除や対策が進んだことが重要な役割を果たした。奄美群島国立公園の指定や輪禍といった交通事故の減少、森林開発の規制などに伴う他の事業も機能したとみられる。

 昨年12月には有識者らでつくる検討会があり、事業完了を了承した。今年3月には、レッドリスト分類を1ランク低い「準絶滅危惧」へ引き下げ、完了への環境は整っていた。

 奄美市名瀬のアマホームPLAZAで行われた会見には、環境省や検討会委員、功労者らの関係者が出席し、経緯や評価が説明された。完了宣言をした大林所長は「(奄美の)自然環境保全は、全国的にも世界的にも目覚ましい成果を上げている。関係者をはじめ、多くの島民、観光客の理解に支えられて事業を完了することができた」と感謝した。

 検討会で座長を務めた石井信夫氏は「きちんと対策すれば絶滅危惧状態でも回復が可能だと実証できた」と完了の意義を強調。「今回の事例を契機に(完了向けた)プロセスも整理できた。保全対策を進める全国の参考にもなる」とたたえた。個体数や生態の調査などで貢献してきたNPO法人奄美野鳥の会の永井弓子会長、鳥飼久裕前会長は「回復を実感している。大勢の協力の賜物だ」と祝福した。

 今後は、必要に応じてモニタリングなどを継続し、動向把握に努める。奄美群島の保護増殖事業は現在、アマミノクロウサギ1種が継続されている。