カゴミル 鹿児島の今のニュースを、まとめて。

← 一覧
鹿児島県・奄美大島選果場管理運営協議会がタンカン・津之輝パネルディスカッション「両方植栽で経営安定」「新規対象の講習会重要」「リレー出荷可能な産地に」
自然・火山 奄美新聞 👁 1

鹿児島県・奄美大島選果場管理運営協議会がタンカン・津之輝パネルディスカッション「両方植栽で経営安定」「新規対象の講習会重要」「リレー出荷可能な産地に」

📰 全文
 奄美群島振興交付金を活用し、奄美大島選果場管理運営協議会(会長・川畑健朗奄美市農林水産部長、事務局・市農林水産課)が2025年度から進めている「あまみフルーツアイランド確立事業」。26年度の重点支援農家(60人)らを対象にした全体研修会が23、24の両日あった。島内の中核農家などがパネリストとなってのパネルディスカッションもあり、その中ではタンカン・津之輝(つのかがやき)について意見交換。産地の方向性では植栽する場所により年末の12月から年明けの1~2月と、両かんきつは「リレー出荷」が可能との期待が示された。

 パネリストは平井孝宜さん、元井雄太郎さん、前山大輝さん、広野裕介さんの各生産者に行政の担当者も加わり、フルーツブランド確立推進員の熊本修さんがコーディネーターを務めた。テーマは「タンカン・津之輝のめざすべき姿とは」

 パネルディスカッション検討結果の主な内容は次の通り。

 【25~26年度産の現状と課題】タンカンは標高200㍍以下の下場や奄美大島南部で作りづらくなっている。果実階級が目標L~2Lを超えたり、着色不良が多く発生し、完全着色まで樹上にならせると低酸になる。このような場所には津之輝が適する。しかし、津之輝は枝の伸びが旺盛で枝にトゲも多い。さらに、かいよう病にも弱い。褐斑など果皮障害も発生することから「防風対策」が前提となる。過繁茂になると薬剤の浸透も悪くなる。タンカンとは違う考えで栽培を考えた方がよい。

 フルーツアイランド確立事業で津之輝の栽培マニュアルの作成を考えている。

 【規格外品の6次産業化】タンカンは生食向き。加工してしまうとタンカンが持つ香りやフレッシュ感が失われてしまう。どうしても加工を考える場合にはプロの視点が必要。単純にジュースやジャムなどを作るのではなく、果実や皮の風味やうまみを数値化することも必要ではないか。

 加工施設を作るには莫大な資金が必要になる。賛同してくれる企業を見つけるのも産地を活性化させる一つの方策。

 加工品ありきで、いい加減な栽培をして規格外品が多く出ても平気な生産者が増えることを恐れている。あくまでも生食を目指し商品化率を上げ、規格外品をなるべく出さない栽培を。

 【産地としての方向性】個別経営を考えたときにもタンカン、津之輝どちらか一方に固執することなく両方植栽することで、収穫期の労働分散や一つの品種にこだわり過ぎて価格が暴落することも避けることができる。

 津之輝、タンカンも超密植で栽培している事例を目にする。枝の先端に着果することで倒伏しやすく、傷もつきやすい。季節風や台風の風向きを考え植栽し、産地化を。新規栽培者を対象とした講習会は重要。

 津之輝は標高が高い(200㍍以上)上場でも植栽可能な品種。下場で作ると年内のお歳暮用ギフトとして販売できる。しかし下場の果実を1月まで貯蔵すると腐敗する。貯蔵するなら上場の果実に限る。

 将来、奄美大島としては、下場における12月からの津之輝の出荷、上場における1月からの津之輝の出荷、2月からのタンカンの出荷と「リレー出荷が可能な産地」となれる。