鹿児島県 「官民組織で取り組みを」 あやまる岬、ほとんど立ち枯れ 自然を考える会観察会 ソテツCAS被害
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奄美の自然を考える会(森山力藏会長)が主催する自然観察会「ソテツが危ない!」が24日、龍郷町安木屋場と奄美市笠利町にあるソテツ群落を移動して行われた。15人が参加。2022年に初確認されて以来いまだ解決に至っていないソテツシロカイガラムシ(CAS)による枯死(こし)など被害の現状を確認、島民の命をつないだソテツの保護を考える機会とした。奄美大島では、ソテツの害虫、CASによる被害(食害)は22年11月に310本を初確認して以来急拡大。24年3月末時点で約2000本、25年同約6000本と増え続け、同年末には約8400本と報告されている。
この間、新芽の季節(4月)やCASの幼虫期(6~7月)に散布すると殺虫効果が高いとされる薬剤「マツグリーン2」を使った駆除が行われてきたが、効果が持続せず繰り返し散布する必要があることなどから、被害に歯止めがかかっていない。
同会は、CAS問題を重要視。壊滅的な被害を受けている群落地の観察を通して、市民に身近で深刻な問題として理解してもらおうと観察会を企画した。
安木屋場の群生地は、町が23年度から毎年、約500~1500万円をかけ薬剤散布を行ってきた場所。新芽が出た株や枯死した株が入り混じった状態だった。
参加者は、食害前の写真と見比べながら、葉柄(ようへい)に付着した卵を観察するなどした。
あやまる岬ソテツジャングルは、ほとんどのソテツが立ち枯れ状態。若葉を食べるクロマダラソテツシジミも飛び交っていた。
奄美市名瀬の岡健司さん(60)は「年々ひどくなる状況を見て関心があった。ソテツジャングルには初めてきたが、緑が生い茂った時に来たかった」と残念そうに話した。
案内役を務めた同会の高槻義隆さん(73)は「奄美群島にとってソテツは単なる観賞植物ではない。食糧難から島民の命を救った救荒植物で〝奄美の宝〟。知恵を出し合い守っていきたい」と話し、「行政と民間が一体となり、組織を作って取り組む必要がある」との見解を示した。
高槻さんによると、大和村では、対策をしていない株から新芽が出ている場所もあるという。耐性を持った株が現れたのか、CASの天敵によって被害が抑えられたのかなど分かっていないという。