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鹿児島県 「メディカルタウン構想」提起 稲大島郡医師会会長 高齢者医療・介護拠点に ハンセン病市民学会・分科会
政治 奄美新聞 👁 11

鹿児島県 「メディカルタウン構想」提起 稲大島郡医師会会長 高齢者医療・介護拠点に ハンセン病市民学会・分科会

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 ハンセン病当事者や家族の苦悩の歴史を次世代に引き継ぐ「第20回ハンセン病市民学会総会・交流集会in奄美」(同学会及び開催地実行委員会主催)が16、17の両日、奄美市名瀬であった。最終日の17日は2会場で分科会があり、奄美和光園会場では「施設の永続化」をテーマにパネルディスカッション(PD)が行われ、88歳の入所者の女性を含む130人が参加した。大島郡医師会の稲源一郎会長は、和光園エリアに高齢者を集積し「メディカルタウン」とする案を提起した。

 患者の強制隔離を定めた「らい予防法」(1931年)の廃止(96年)から30年の節目に行われた交流集会のテーマの一つは、入所者が6人となった「奄美和光園」の永続化。16日の全体会で出された総論を基に、パネリストが持論を展開した。

 基調報告は、国立療養所の医療従事者などで構成される全日本国立医療労働組合(全医労)奄美支部の福崎昭徳支部長。支部の総意として、地域への開放と医療機関としての存続を訴えた。

 PDには、パネリスト4人が登壇。稲会長は医療機関としての和光園について、「皮膚科の専門医が常駐する施設は、奄美大島には数少ない。和光園は施設も充実している」と説明、私見と断った上で「在宅の高齢者を支える包括的な医療・介護の拠点となれば」と提起した。

 同医師会は現在、高齢者が住み慣れた地域で暮らせる「地域包括ケアシステム」を推進している。在宅医療や多職種連携を軸に、予防から介護・看取りまで包括的に支える体制だが、訪問診療や介護の移動が長距離になることが大きな課題となっているという。

 稲会長の私案は、遠隔地に住む独居高齢者などを一定エリアに集約、和光園を拠点とした「メディカルタウン」(包括的訪問介護・医療の拠点)を構築することで機能的な運営が図れるといった内容。   

 司会を務めた国家賠償訴訟弁護団の德田靖之弁護士に課題を問われると、「人件費の問題が重くのしかかり、黒字化は難しい」と答えた。

 当事者で、全国ハンセン病療養所入所者協議会の屋猛司会長(奄美大島出身、邑久光明園=岡山県に入所=)は、「ハンセン病問題基本法」(隔離政策による被害・名誉の回復に関する法律)の改正に向け活動を強化しているという。

 稲会長の案について、「(法改正では)『努力』の条文を『義務』と変え、国の責任を明確にしたい。国立療養所の永続化についても、経費を国庫負担とすることは当然だ。法律に盛り込むべき」と主張した。

 福崎支部長は「法改正に向け、全国で署名活動を展開したい」との意向を示した。奄美和光園とともに歩む会代表の福田恵信代表も「署名活動を通し、永続化問題を一般市民に知ってもらう機会としたい」と同調した。

 午後は、別会場であった分科会の参加者も和光園会場に集結、まとめの全体会が行われた。コーディネーターを務めた同市民学会の訓覇(くるべ)浩事務局長は「参加者一人一人の熱量を感じた。国立療養所のある13の施設・地区には、それぞれの事情がある。今回の集会は、他地区にっても意義のあるものとなった」と話した。

 来年は岡山県での開催が決まっている。