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奄美で進むDX GIGAスクール構想5年、新たな段階へ 奄美市
総合 南海日日新聞 👁 1

奄美で進むDX GIGAスクール構想5年、新たな段階へ 奄美市

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 国が進めるGIGAスクール構想は開始から5年が経過し、鹿児島県奄美市でも児童生徒1人1台端末の整備を経て、教育現場での活用が新たな段階に入っている。市教育委員会は昨年度末までに市内小中学校の端末更新を終え、今年4月から新たな端末を運用。授業や心の健康観察、不登校支援など活用の幅が広がる一方、教員によって活用に差が出たり支援体制が不足したりといった課題も浮かぶ。

 市では2020~21年度にタブレット端末を整備。新型コロナウイルス禍での学習環境の変化に対応しながら、学校現場への定着を進めてきた。現在は文部科学省が進める第2期「セカンドGIGA」のもと、更新した新端末の活用を本格化させている。旧端末は5月上旬から回収を開始し、民間事業者との協定によりデータ消去や処分、買い取りまでを一括して行う。

 端末導入により、授業の在り方も変化している。奄美市立名瀬中学校のICT(情報通信技術)担当教諭は「一斉授業中心だった学びが、一人一人に応じた学びへ変わってきた」と話す。理解の早い生徒は発展問題に取り組み、苦手な生徒は基礎を繰り返し学習するなど、個別最適化が進んでいるという。授業支援アプリ「ロイロノート」を使った意見共有では、発言が苦手な生徒も自分の考えを表現しやすくなり、学級全体の参加度向上にもつながっている。

 健康管理では、毎朝タブレットで体や心の状態を「晴れ」「曇り」「雨」などで入力する取り組み「心の健康観察」を実施。紙より気軽に入力できることから、生徒が率直に回答しやすくなり、教員が心理面の小さな変化にも早期に気付けるようになったという。

 学習支援ではAIドリルの活用も始まった。生徒の理解度に応じて問題が出題される仕組みで、基礎学力の定着や苦手分野の把握に期待が寄せられる。一方、担当教諭は「なぜ間違えたかを振り返る指導と結び付けることが重要」とも話し、効果的な運用方法を模索している。

 新端末は処理速度や動作の安定性が向上し、授業中のストレス軽減にもつながっている。ただ、教員や生徒による活用の差、ネットワーク環境や機器トラブルへの対応など課題も残る。市は今年度から県本土の民間事業所と連携し、年4回ICT支援員を派遣。情報モラル教育や持ち帰り学習の充実も進める。市教委学校教育課の井栄一郎主査は「環境整備は進んできた。今後も教員の意識向上やスキルの底上げにつなげたい」と話した。