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車道を走れと言うけれど…「怖い」「ルール分かりづらい」と戸惑いの声――自転車専用・優先の通行エリアはわずか0.2% 青切符制度1カ月で鹿児島県内
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車道を走れと言うけれど…「怖い」「ルール分かりづらい」と戸惑いの声――自転車専用・優先の通行エリアはわずか0.2% 青切符制度1カ月で鹿児島県内

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 自転車の交通違反に反則金を科す交通反則切符(青切符)制度が4月から始まって1カ月がたった。自転車は車道を走るのが原則だが、「車道は怖くて通れない」と不安視する声が南日本新聞に届いた。鹿児島県内で国や自治体が管理する道路総延長のうち、自転車専用レーンなど「自転車通行空間」はわずか0.2%。県警は交通ルールを再認識する契機にしようと周知を図る。

 4月下旬、鹿児島市の鹿児島駅周辺の歩道では、歩行者のそばを自転車が行き交っていた。一帯は歩道を自転車で走行可能。通勤に欠かせないという女性看護師(44)は「乗る時のルールがあいまいで分かりづらい。車のすぐ横を走るのは怖い。歩道が広いとありがたい」と言う。

 県道路維持課によると、県内の道路総延長約2万7000キロのうち、歩道や車道から独立していたり、車道の路肩にスペースを設け、矢羽根型の道路標示を敷いたりした「自転車通行空間」は、2022年時点で約53キロしかない。自転車道の整備には広い幅が必要で、コストも時間もかかる。

 通勤などで自転車利用者が多い鹿児島市は、走りやすい平らな道を増やそうと知恵を絞る。天文館や鹿児島中央駅周辺、谷山地区を重点的に整備し、幅を取るのが難しい場合、側溝をふたの要らないタイプに改良する。市道路建設課の田之上和博課長は「既に敷いた標示が消えかかるなど維持も課題。警察とも連携し、環境を整えたい」と話す。

 一方、取り締まる側の県警。県内各地でチラシを配布したり、高校生と一緒にイベントをしたりと制度の周知に余念がない。

 取り締まる違反項目は113種類と幅広いが、全てを即摘発するわけではない。原則は指導・警告で、危険度が高い行為や指導に従わない場合に摘発する。

 県警交通指導課によると4月27日時点で、スマートフォンなどを利用しながら走行する「ながら運転」と一時不停止の2件で初めて青切符を交付。400件超の指導・警告もあった。

 ただルールを守っている利用者に影響はなく、交通マナーの改善を促す側面も強い。県警の中島和幸交通部長は、新制度を「歩行者の保護が大前提と考えてほしい」と説明する。

 理想は自転車道の整備だが現実的にはハードルが高い。安心な道は結局、一人一人のマナーにかかっていると言えそうだ。