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「フェリー屋久島2」垂水沖で3時間半漂流…発電機2機とも故障しエンジン停止、えい航され港へ戻る――「生活の足」乗客や住民から早期復旧願う声
事件・事故 南日本新聞

「フェリー屋久島2」垂水沖で3時間半漂流…発電機2機とも故障しエンジン停止、えい航され港へ戻る――「生活の足」乗客や住民から早期復旧願う声

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 28日午前9時25分ごろ、鹿児島発屋久島行きのフェリー屋久島2(全長122メートル、3392トン)が発電機の故障でエンジンが止まり、垂水市の垂水港6.3キロ沖で航行不能になった。約3時間半漂流状態となり、民間のタグボートがえい航。午後4時40分ごろ、鹿児島港本港区南ふ頭(鹿児島市)に戻った。乗員・乗客57人にけがや体調不良はなかった。運輸安全委員会によると、航行中のフェリーのエンジンが完全停止するのは異例。故障原因を特定するまで当面欠航する。

 運航する折田汽船(同市)や喜入海上保安署によると、フェリーは午前8時半に鹿児島港を出港。午前9時46分ごろ、乗組員が「発電機の調子が悪く修理している」と118番した。

 発電機は全2機で、機関室などへ供給し、電子制御で燃料や冷却水のポンプを動かす。2機とも故障しエンジンが停止した。1月に年1回の定期点検をし、出発前の点検でも異常は確認されなかったという。乗客41人のほか、トラックや乗用車など18台、日用品や生鮮食品が載っていた。

 同社の折田新吾常務(54)は「多くの皆様にご迷惑をおかけし申し訳ない。原因を調査し、早急に部品を取り替える。連休前の復旧を目指したい」と話した。

 屋久島2は1993年就航。2024年10月にはエンジンの回転を落とす「減速機」とエンジンを接続する部品が故障。交換品を海外から取り寄せる必要があり、再開に半年かかった。

 運輸安全委は今後について「事故調査官の派遣も視野に情報収集を進める」としている。

 県内では23年12月、十島村営船「フェリーとしま2」(1953トン)が悪石島沖でエンジン火災により航行不能となり、鹿児島市の鹿児島港にタグボートでえい航された。



 垂水沖で28日にエンジンが停止したフェリー屋久島2は、半日かけて鹿児島港に戻った。船内で大きな混乱はなかったが、島の日用品輸送の大部分を担うため、関係者は驚きを隠さない。大型連休の本格化を前に、乗客や住民は「長引かなければ良いが」と早期の復旧を願った。

 複数の乗客によると、フェリーが止まって間もなく、「故障で鹿児島に引き返す」とのアナウンスが流れた。船はUターンする形で向きを変えたが、まもなく完全に停止。乗客は展望室や甲板で待機し、アイスクリームや茶が配られた。

 宮崎市の女性(57)は夫と犬2匹で乗船。「犬用の待機場所も用意してもらえ、ありがたかった」。ただ、トイレは非常灯だけで暗く、携帯電話の充電も気がかりだった。「何より島への影響がどうなるかが心配」と話した。

 乗客にはチケット代の払い戻しだけで、宿泊代などは自前。海外から来日し、家族3人で旅行中だった男性(43)は「何が起きているのか怖かった。引き返してショック」と語った。

 屋久島2が2024年10月から半年欠航した際には日用品が不足したり、農産物の発送が滞ったりした。屋久島町船行の民宿経営男性(69)は連休の宿泊客受け入れ、6月には栽培するパッションフルーツの出荷を控える。「早く通常運航に戻って」と願う。

 同船に詳しい関係者は「これまでもちゃんと部品を交換し整備してきた。想像を超える出来事。船も老朽化が進む。今後も不測の事態が起きないとは言い切れない」と話した。