~セグロ危機~ 植付終了の秋カボチャ警戒、家庭菜園植物から幼虫確認の鹿児島県喜界町「寄生避けたい」
県経営技術課の10月28日発表によると、奄美群島の累計誘殺数(同13日時点)は3828匹。市町村別で最も少ないのは喜界町(13匹)だ。調査用トラップ(わな)による雄成虫の誘殺は同町のみゼロが続き、初めて確認されたのは今年7月。以降、同月6匹、8月3匹、9月1匹、10月3匹と連続している。
幼虫の確認も同町のみゼロが続いていた。初確認は10月21日で伊実久地区の家庭菜園地から採果されたニガウリに寄生していた。喜界での確認で幼虫も奄美群島全12市町村に広がった。
町農業振興課営農支援センターによると、まん延防止へ町は啓発チラシを作成。「家庭菜園・畑におけるウリ類への消毒・不要果の片付け」などに協力を要請する内容で、何回かに分けて全戸配布に取り組んだという。今回、幼虫が確認された家庭菜園地で薬剤散布により消毒が行われたかは不明という。幼虫の初確認を受けて町は防災・行政無線などを通し、改めて家庭菜園での適切な対応(害虫防除を行わない園地では寄主植物の栽培自粛)を求めている。
担当者は「喜界町では家庭菜園が多い。寄主果実調査や除去などの初動対応時に家庭菜園を見つけた場合は、町民の皆さんに協力を呼びかけ理解を図っている。ところが自宅の裏側など家庭菜園地を見つけられないこともあり十分に浸透しきれていない」と話す。
ウリ科寄主植物の島外出荷対策では、チェック体制が奄美群島全域を対象に今年度産秋カボチャ(収穫期は1月)からスタートする。沖縄では幼虫の寄生がないことを確認できたカボチャのみ出荷(合格証明ラベル貼付)できる。奄美ではマンパワーの関係でこうした目視検査が難しいため、農薬散布履歴の報告書記載を求めていく。防除により発生を抑制していくためだ。
専門家は「防除を適切にやれば発生をある程度防げる。ところが不十分だと発生源になってしまう。不妊虫の放飼が始まるまで、適切な防除、防除ができない場合は栽培自粛の実践がポイントになる。生産農家以上に、家庭菜園に取り組む住民の理解が欠かせない」と指摘する。夏場の高温時期より気温が低下する時期のほうが誘殺数は増えるとみられる。また、オキナワスズメウリなど野生の寄主植物は果実が赤く熟しており、セグロウリミバエの寄生で幼虫が発生しやすい時期を迎えているという。地域の理解のもと対策・取り組みの強化が必要になっている。
喜界町の昨年度の秋カボチャ生産量は約98㌧、生産額は約3300万円。今年度は約40戸の生産者が約15㌶の作付を計画。畝(うね)の土の表面をフィルムで覆うマルチ栽培での苗の植え付けは10月で終了している。営農支援センターの担当者は「幼虫が初めて確認されたことで警戒を強めている。植え付けたカボチャがこれから生育していくだけに寄生を食い止めなければならない。これまで以上に啓発に力を入れ町民の皆さんの理解を得たい」と語った。

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