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鹿児島県 クロウサギ生態・最新調査成果報告 写真家浜田氏 徳之島・当部や金見崎の貴重映像公開 世界自然遺産登録5周年記念
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鹿児島県 クロウサギ生態・最新調査成果報告 写真家浜田氏 徳之島・当部や金見崎の貴重映像公開 世界自然遺産登録5周年記念

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 【徳之島】世界自然遺産登録5周年を記念した「アマミノクロウサギ調査報告会~クロウサギの知られざる生態に迫る~」(天城町主催)が10月30日、同町役場ホールであった。写真家・映像作家で鹿児島大学国際島嶼教育研究センター客員研究員の浜田太氏(73)=奄美市=が講師を務め、撮影・生態研究に約40年取り組んできた集大成の貴重映像の数々を交え、その進化や生態、徳之島における最新の調査成果も報告した。

 浜田氏は、世界で初めて国指定特別天然記念物アマミノクロウサギの子育ての撮影に成功して世界に知らしめたことでもおなじみ。報告会には約40人が来場。遠隔操作カメラや定点カメラで捉えた貴重映像を次々と公開。普段は目にすることのできない夜間の行動や繁殖、外敵への警戒などを解説し、神秘的な生態の世界へと引き込んだ。

 講演では、約200万年前の地殻変動で大陸から切り離された後、海面上昇時にも高い山々が水没を免れたことで、奄美大島と徳之島にだけ生き残ったとされる進化の歴史を紹介。江戸時代末期に薩摩藩の名越左源太が記した『南島雑話』に「大島うさぎ」として登場、1921年に国の天然記念物第1号に指定され、63年には特別天然記念物となった経緯なども説明。

 徳之島での調査については、3年前から天城町当部地区(東部ダム沿いやクロウサギ観察小屋周辺)で本格化。ナイトビジョン映像では同時に計12匹も確認。浜田氏は同地区について「観察ポイントとして、こんな場所はほかには存在しない」と高く評価。

 その一方で、採食草地には、無謀にも爆音を響かせてバイクで乗り入れてヘッドライトで周囲を照らす人物の姿も映像に記録されていた。こうした無神経な人間活動が生息環境に及ぼす影響についても課題を投げ掛けた。

 徳之島町金見崎では、海岸の砂浜直下や、海岸に自生するアダンの葉を食べる様子、砂浜に巣穴を掘ろうとする行動も撮影。浜田氏は、かつて人が居住する以前には海岸から山奥まで広く分布していた頃の遺伝的特性や生態的な適応能力が、現在も受け継がれている可能性を指摘した。

 このほか、鳴き声による個体間のコミュニケーションや、繁殖期に見られる激しい争い、天敵であるハブへの警戒行動なども映像を交え解説。世界最大級の自然映像写真コンテストである「ネイチャーズ・フォトグラフィー国際賞」の2017年11月の受賞作品や、米国で開かれた授賞式の様子も併せて紹介した。

 世界自然遺産登録について同氏は「世界が認めたブランドであり、有史以来最大の転換点」と強調。「未来に向けて、この自然を生かした新たな独自の文化を創造してほしい」と呼び掛けた。

 参加者の一人、当部地区でクロウサギの保護・観察に協力している林倫成さん(53)=兵庫県出身=は、40年にわたる撮影技術と洞察力に感銘を受け、「多角的な視点や考え方についても大変勉強になった。現在は生息数が回復傾向にあるものの、このまま放置すれば再び減少に転じる恐れがある。適切な保護・管理の必要性を強く感じている」と話した。

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