野鳥の衝突死を防げ 窓フィルムを寄贈 奄美いんまや動物病院
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建物の窓などに野鳥が衝突して死傷する事故を防ごうと、鹿児島県龍郷町の奄美いんまや病院の伊藤圭子院長(48)は4日、奄美市名瀬の奄美海洋展示館へ事故防止用窓フィルム「バードアタラズ」を寄贈した。伊藤院長は「多くの人に野鳥事故の問題を知ってもらい、野鳥を守るための対策が広まってほしい」と話し、フィルムの普及に期待を寄せた。野鳥が人工物に衝突して死傷する「バードストライク」は近年、世界的に問題となっている。多くの野鳥が生息し渡り鳥の経由地でもある奄美大島では、観光施設や公共施設、学校など大きな窓のある建物で事故が多発。同展示館でも、リュウキュウアカショウビンなどが窓への衝突によって死傷する例が年間数件発生しているという。
寄贈したフィルムは海外製で、米国スミソニアン国立動物園やラグーナ・アタスコサ国立野生動物保護区などで利用実績がある。紫外線を反射する特殊な素材で人間の目には透明に見えるが、鳥類には細かい水玉模様が浮かんで見え、ガラスに気付かずに衝突するのを防ぐ仕組み。
伊藤院長の呼び掛けで日本代理店が決まり、国内での購入が可能になった。今回は宇検村の奄美大島開運酒造が展開した野鳥保護に関するクラウドファンディングの同病院への寄付金を費用に充て、約30センチのフィルムを65メートル分購入、うち20メートル分を同展示館に寄贈した。
展示館の小瀬村岳飼育員(23)は「不幸な事故が1件でも防げればうれしい。啓発のための展示なども考えたい」と感謝。伊藤院長は「けがをした野生動物の治療もたくさん行っているが、人工物によるけがを防ぐ仕組みができればそれが一番いい。フィルムは建物の景観にもほとんど影響しないため、多くの施設や住宅で活用してもらいたい」と話した。