抹茶工場の建設相次ぐ 原料生産量に比べて加工施設が不足 鹿児島
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全国一の荒茶生産量を誇る鹿児島県内で、抹茶工場の建設が相次いでいる。背景には、抹茶の原料となる「てん茶」の県内生産量に比べ、加工施設が不足する現状がある。世界的な抹茶ブームのなか、一貫して生産することで利益を地域にとどめる狙いがある。10月8日、JA鹿児島県経済連と子会社のJAかごしま茶業が、鹿児島市南栄3丁目のかごしま茶流通センター内に、事業費約26億円をかけて増設する抹茶工場(2567平方メートル)の起工式があった。
県内の茶商から委託を受けて仕上げや粉砕などの加工を行い、現在は年間約10トンの生産量を300トンに増やす。2024年の当初計画では生産量は年間150トンの予定だったが、抹茶需要の高まりを受けて倍増させた。輸出を視野に殺菌設備も整備し、27年12月の操業開始を予定している。
JA県経済連の上宗光会長は取材に対し、「原料産地として『かごしま茶』が知られているが、生産量だけじゃなくて、商品を含めた日本一を目指していきたい」と語った。
県内では、ほかにも抹茶工場の建設の動きが出ている。志布志市では今夏、堀口園が処理能力年間800トンの新工場建設に着手した。鹿児島市の大橋製茶も今月、年100トンを生産する抹茶工場の建設を発表した。
大橋製茶は現在、県外に加工を委託し、戻ってきた抹茶を商品として輸出しているが、昨年は3カ月間、加工を待つことがあったという。大橋直社長は「注文があって原料もあるのに加工がままならない時期があった。一連の工程にすることで品質管理が思い通りにできる」と説明した。
収穫した茶葉を乾燥させた「荒茶」の県内の25年の生産量は、3万トンで2年連続全国1位。日光を遮って栽培され、葉が広がったまま乾燥させた「てん茶」の25年の生産量も2670トンと6年連続で全国1位(日本茶業中央会まとめ)だ。てん茶の生産量は年々増えているが、JA県経済連によると、県内での抹茶の生産量は年間400トンほどと推定され、多くのてん茶は、静岡県など県外で抹茶に加工されているという。
県農産園芸課によると、今年4月末時点で、県内では九つの抹茶工場が稼働している。
茶市場は、中国が生産を増やすなど競争が激しいが、JA県経済連の関係者は「世界的な市場からみると抹茶はまだまだ供給が不足している」と分析。「荒茶を流通させるだけでは利益が薄いので、商品をつくることで利益率を上げ、地元で利益を確保して生産者に還元していきたい」と話す。(中島健)
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