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鹿児島県 徳之島の「金見ソテツトンネル」も危機 外来害虫CASが猛威 老樹群7~8割が枯死状態に 観光景観・生態系への影響深刻
観光・グルメ 奄美新聞

鹿児島県 徳之島の「金見ソテツトンネル」も危機 外来害虫CASが猛威 老樹群7~8割が枯死状態に 観光景観・生態系への影響深刻

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 【徳之島】ソテツを枯死させる外来害虫「ソテツシロカイガラムシ」(通称・CAS)による被害が、徳之島でも急速に拡大している。昨年10月頃、徳之島町北部の花徳地区でも初確認されてから約1年。今夏以降は同町北部の花徳―手々地区を中心に被害が広がり、町を代表する観光名所「金見ソテツトンネル」でも、ソテツの7~8割が枯死状態に陥っている。樹齢300~350年と伝えられる老樹群が連なる歴史的景観の消失が懸念され、地域に衝撃が広がっている。

 CASはソテツに寄生して樹液を吸い、葉の変色や枯死を引き起こす外来害虫。2021~22年頃に奄美大島で確認以降、奄美群島を中心にまん延。徳之島では昨年10月頃、花徳地区で初確認(鹿児島大学が種同定)。その後、徳之島町内の広範囲で被害が確認されるようになった。

 町は発生当初から、被害木の伐倒や焼却処分、樹木用殺虫剤の散布などの応急対策を講じてきたという。しかし、拡大は止まらず、今夏以降は花徳―手々地区を中心に深刻化。花徳の県道沿いでは農地のり面の保全や防風垣として植えられたソテツが次々と被害に遭い、斜面一帯が無残な赤茶けた光景に変わっている。

 なかでも懸念されているのが、同町金見地区の観光名所「金見ソテツトンネル」への影響だ。奄美群島国立公園の第3種特別地域に位置。古くは畑の境界や海から吹き付ける風を防ぐために植えられたソテツが成長し、独特の景観を形成してきた。

 トンネル入り口から「金見崎展望台」までの約200㍍の間には、樹齢300~350年と伝えられる老樹が林立。長いものでは高さ約5~6㍍、幹の直径は40~60㌢に達するとみられ、支柱で巨体を支える大樹も。しかし、CAS被害によって老樹群も緑を失い、赤茶けた葉が目立つ異様な光景へと変わりつつある。

 さらには同展望台からその先の「金見崎灯台」一帯にかけては群島有数のソテツ群生地が広がり、地域を代表する自然景観となっているが、すでに被害樹が散見され始めているという。

 地元で自然保護やエコツアーに取り組む一般社団法人「金見あまちゃんクラブ」の元田浩三理事長は、「ソテツトンネルの7~8割が被害を受け、100%になるのは時間の問題だと思う」と危機感を募らせる。その上で、「樹齢300~350年と伝えられるソテツが全滅すれば、われわれの世代が親しんできた景観は見納めになってしまう。有効な薬剤がほしい」と訴える。

 農地のり面のソテツが壊滅状態となった花徳地区の農業男性(69)も、「父親が約41年前、畑総(農地整備事業)の後に防風やのり面の侵食防止、除草、景観形成などを目的に植えたもの」。「自分の代になってソテツの緑が失われていくのは忍びない。何とか駆除できる特効薬がほしい」と肩を落とす。

 徳之島町農林水産課の担当者は、相次ぐ台風の襲来が被害拡大に影響した可能性にも言及。「他の島も対岸の火事ではない。農林水産省には、有効な薬剤の登録・使用に向けた取り組みを急いでほしい」と話している。

 地域の暮らしとともに長い年月を重ね、観光資源としても親しまれてきた徳之島のソテツ。外来害虫による被害を食い止め、貴重な景観を守るための対策が急務となっている。

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