鹿児島県・龍郷町で「ヒメとヒコ」17年ぶり公演、古代奄美のウナリ神信仰背景 KIKUJIROキャストも出演
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古代奄美の巫女(みこ)と大隅の王子の恋を描いた高校生ミュージカル「ヒメとヒコ」(鹿屋市教育委員会主催、龍郷町教育委員会など共催)の奄美公演が3日夜、同町りゅうゆう館であった。ボランティアスタッフを含む約500人が観覧、総勢51人が歌い踊るタイムスリップドラマに心を揺さぶられた。ゲスト出演した同町青少年ミュージカル「KIKUJIRO」のキャストは、エネルギーあふれるダンスと舞台全体の圧倒的な熱量に強い刺激を受け、ステージを下りても高揚感が収まらなかった。「ヒメとヒコ」は、同市大隅地域の高校生が中心となってつくる創作ミュージカル。2007年初演で、奄美公演は09年以来17年ぶり。
舞台は、現代の大隅に生きる高校生が霊的な力が宿る勾玉(まがたま)を手にし、古代奄美にタイムスリップするシーンから大きく動く。
そこは、「ウナリ神信仰」と、自然の力を読み取る巫女「ヒメ」がいる世界。ヒメは、漂着した大隅の王子「ヒコ」を命を懸け救い、やがて求婚される。
作品の脚本・演出は「KIKUJIRO」の総合演出も務める松永太郎氏。郷土に伝わる芸能や歴史・文化を巧みに作品に取り入れ、現代風に再構築する手法は両作品に共通する。
その手法が存分に取り入れられた第二幕は、新体操を連想させるアクロバティックなダンスシーンから始まる。国分中央高校ダンス部26人が高度なパフォーマンスで舞台をより感動的に盛り上げる。
その後も、制服姿で踊る現代風のダンスや、大隅地方の郷土芸能「刀舞(かたなまい)」や「棒踊り」をアレンジした殺陣(たて)を盛り込み観客を全く飽きさせなかった。
作品は、前後編約2時間半のフルスケール。「KIKUJIRO」メンバー5人は、第一幕の後半、ヒメをさらいにヤマトの使者が現れるシーンに登場。傍若無人な振る舞いに恐怖する奄美の民を演じた。
ステージを下りた大島高校1年の姫野千葵(ちい)さん(15)は「物語に入り込めた。国分高校のダンスはレベルが高く勉強になった。部員とも友達になり、互いに〝結(ゆい)〟を感じ合った。舞台の熱量がすごかった」と高揚感が残った様子だった。
古代で引き裂かれた二人の愛の結末は現代に続く。ラストシーン、ヒメとヒコは高校教師として再会した。
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