西郷隆盛の愛犬「ツン」がAIロボットに 鹿児島大学が5年かけ開発、コテコテ方言で観光案内も
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西郷隆盛の愛犬・ツンをモデルにした鹿児島方言対話ロボット「ツン」が、9月24日に鹿児島大学でお披露目された。かわいらしい見た目に反して、太めの声で流ちょうな鹿児島弁を話すロボットは、5年の歳月をかけて開発されたものだ。将来的には方言の継承支援や高齢者の見守り、観光案内への活用も想定されており、地域社会への貢献が期待されている。西郷さんといえば、愛犬のツンも広く知られた存在だ。その名を冠した方言対話ロボット「ツン」は、生成AIを活用してさまざまな鹿児島弁のデータを取り込み、鹿児島大学が開発した。
お披露目の場では、記者からの「鹿児島の魅力を教えてください」という問いかけに対し、ツンはこう答えた。
「鹿児島は桜島が良くて、温泉もあって、黒豚がおいしい。海も山もあって、景色がすごくきれい」
その様子を見た記者は「コテコテの鹿児島弁ですね。まるで鹿児島のお父さん、おじいちゃんと話しているような、そんな昔ながらの鹿児島弁です」と表現した。愛らしい外見からは想像しにくい、どっしりとした声での鹿児島弁は、見る者に強い印象を与えた。
また、西郷さんについて尋ねると「西郷さんは優しくて強い心の人だった」と答えるなど、人物にまつわる話題にも対応できる。
ロボット開発を担当した鹿児島大学共通教育センターの坂井美日准教授は、開発の意図をこう語る。
「高齢者の伝統的な方言を伝える役割をしてほしくて、70代の方言と50代後半の方言を学習させて、できるだけコテコテにした」
生成AIの精度はデータの量に大きく依存する。鹿児島大学によると、方言のデータは標準語と比べて相対的に少なく、方言で自然な対話ができるロボットの開発は非常に難しいという。その壁を乗り越えるために、5年という長い開発期間が費やされた。
鹿児島の高齢者が日常的に使う「コテコテの鹿児島弁」は、世代交代とともに失われつつある。ロボット・ツンはそうした伝統的な方言を記録・再現し、次世代へ伝える役割を担うことが期待されている。
将来的な活用場面として想定されているのは、主に3つだ。まず方言の継承支援、次に高齢者向けの見守りロボットとしての活用、そして観光案内への展開だ。桜島や温泉、黒豚といった鹿児島ならではの魅力をコテコテの鹿児島弁で案内するロボットは、観光客にとっても地元の人にとっても、新鮮な体験となりうるだろう。
地域の言葉を守りながら、地域社会の課題解決にも貢献する——ロボット・ツンは、鹿児島の文化と技術が結びついた一つの試みである。
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