【高校陸上】400mH・楠田ゆうな(鹿児島女)ケガを乗り越えて高校日本一「これまでの苦しさが吹き飛んだ」
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滋賀インターハイ女子400mハードルを優勝した楠田ゆうな選手(鹿児島女高3)選手を紹介します。2位と0.11秒差の接戦の末、高校歴代6位の57秒74という好タイムをマークしました。レース直後は「苦しい時期がありました」と胸の内を吐露。ここまでの過程や、普段の生活についても話していただきました。――インターハイ優勝時は、実感がないとおっしゃっていました。夏休みも明け、秋のシーズンが始まった今はどのような気持ちですか。
楠田 レース直後は全然実感がありませんでしたが、地元(阿久根)に帰ってきてからたくさんの方にお祝いの声をかけていただいて、少しずつ「インターハイを優勝したんだな」と思うようになりました。今は青森国民スポーツ大会(少年A300mハードル)が集大成だと思っているので、国スポに向けて練習を頑張っています。
――優勝時のインタビューでは「苦しい時期があったからこそ、ここで勝ち切れたことがうれしいし、周りに感謝しかないです」と、話されていました。
楠田 春にケガ(右ハムストリングス)をしていて走れない時期があって、リレーのメンバー変更をお願いしたこともありました。周りに負担をかけてしまった申し訳なさがありました。先生もすごく悩まれたはずなのに、決して私を責めることなく、「この欠場を正解にするために一緒に頑張ろう」と支えてくださって……。本当にたくさんの方と一緒につかんだ優勝だと思っています。
――インターハイには3年連続で出場しています。
楠田 その間に何度もケガをしてきたので、苦しさも多かったです。1年時のインターハイ(100mハードル)は、全然記録が出ませんでしたが、出場できたことが大きな経験になりました。2年生の時は、新たに始めた400mハードル含めて2種目(100mハードルとの)で出場できました。挑戦者という気持ちがある中で2位に入ったこともあり、楽しめました。
――3度目の今年はいかがでしたか。
楠田 今シーズンに入ってからもケガがあったので順調ではありませんでしたが、しっかり自分の身体と対話しながら、インターハイという大舞台に合わせることができました。苦しいことも多かったですけど、優勝には、今までの苦しさも吹っ飛ぶぐらいの喜びがありました。1周回って、苦しかった日々も良い思い出になっています(笑)
――中学時代は地元国体(鹿児島特別国体)100mハードル少年Bで3位に入った実績もあります。今季、400mハードルに絞った理由もケガがあったからでしょうか。
楠田 そうです。400mハードルはまだ競技歴1年半ですが、昨年のインターハイ2位で、勝負できる種目は400mハードルと実感しました。好きなのは、スプリント系のほうですが。今季は故障からのスタートだったので、両方を目指して途中でケガを再発させて、両種目ともダメになったほうが辛いと思い、「勝ち切る」ために400mハードル1本という選択をしました。
――女子100mハードルは、史上最高のレベルです。楠田さんも参戦したかったのでは。
楠田 自分が割って入るには、まだまだ実力的に足りない部分はありますが。スプリント系も好きなので、今後はそこに割って入って勝負したい気持ちはあります。
――鹿児島女高へ入学した理由を教えてください。
楠田 鹿児島県内の力のある先輩たちが、進学されたので、一緒にリレーを走りたいと思いました。陸上は基本的に個人種目ですが、リレー種目はチームとしてメンバーがいるので安心できます。その温かい感じがすごく好きです。
――だからこそ、今年はケガの影響でリレー(4×100m)のメンバーから外れたことが悔しかったですね。
楠田 4×400mリレーはインターハイに出ましたが、4×100mリレーでは南九州大会で準決勝止まりとなり、チームメイトに迷惑をかけてしまったもどかしさや悔しさはすごくありました。でも、みんなが支えてくれたからこそ、自分が決めた400mハードルという種目で絶対に全国で勝ち切りたいという強い覚悟にもつながりました。
――400mハードルへの適応がすごく早い印象があります。後半もスピードを維持できる走力はどこからきているのですか。
楠田 小学校(阿久根陸上スポーツ少年団)の時に、夏は短距離、冬は全員で長距離や駅伝に取り組んでいました。そこで自然と持久力が身についたことが、今の走りにすごく生きていると思います。実は、駅伝大会にも出場していました。
――初めて400mハードルのレースに出た時の感想は。きつかったですか。
楠田 自分の想像以上にタイム(59秒31/2025年5月上旬の鹿児島県記録会)が出て、少し400mハードルの楽しさが見えました。まだまだ改善できそうなのに、こんなにタイムが出るのか!と思いました。
――ハードルを専門として指導者がいないので、普段の練習は部員と考えていると聞きました。
楠田 メニューはみんなで考えて、私も同じ内容をしています。その中で、自分の目的のために、課題を意識しながら取り組むようにしています。
――自分自身の課題をどのように把握していますか。
楠田 中学校の頃からつけている練習日誌がベースになっています。当時は先生に提出するために書いていましたが、いつの間にか自分で課題や目的を意識して書き込む「自分のためのノート」になりました。同時に、合同練習会などで、専門の先生にアドバイスをいただける貴重な機会を大切にしながら、部員の仲間たちとお互いに刺激し合って練習を作り上げています。
――高校入学を機に、親元を離れて寮に入られていますね。
楠田 寮は6人部屋です。同じ部活動で一緒にならないようになっていて、学年も1学年2人ずつになるように分けられているので、交友関係が広がって楽しいです。自分のやるべきことは自分ですべてやらなければいけないので、競技力だけでなく人間的な部分でもすごく成長できたと感じています。
――インターハイ後、久しぶりに実家に帰った時はどうでしたか。
楠田 実家の自然豊かな空気に触れるとすごくリラックスできて、「一番落ち着くなぁ」と感じました。家族はどんな時も必ず応援してもらっています。
――陸上以外でハマっていることや、日頃大切にしている息抜きはありますか。
楠田 時間があれば、とにかく寝ることです! 普段は22時ぐらいには寝て、5時半前には起床しています。寮に戻るのが遅くなった日は、睡眠時間確保のために、食事も入浴も“猛ダッシュ”で終わらせています。毎日のケアも欠かさないですね。
――得意な教科は?
楠田 英語です。海外遠征に行った時に会話できるレベルになれるまで、頑張りたいです。
――残りのシーズンに向けて意気込みを教えてください。
楠田 大きな目標としては、次の国スポが高校生活最後の大会になるので、そこでもしっかりと勝ち切って、3年間のいい締めくくりをしたいと思っています。