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「早く計画再開してほしい」再び注目、鹿児島・川内原発の3号機増設計画 政府の“布石”着々
事件・事故 西日本新聞

「早く計画再開してほしい」再び注目、鹿児島・川内原発の3号機増設計画 政府の“布石”着々

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 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の3号機増設計画に再び注目が集まっている。2011年3月の東京電力福島第1原発事故後に計画は凍結されたが、政府は新増設の再始動へ着々と布石を打ち、川内3号機も念頭に置く。中東発のエネルギー危機で政府が鮮明にする「原発回帰」の流れも強まりつつある。15年前に止まった時計の針が再び動き出すのか-。(山下航)

 鹿児島市中心部から約40キロ離れた薩摩川内市内。3月上旬、早朝から作業員を乗せたバスやトラックが次々と川内原発に向かっていた。2号機は1月下旬から約3カ月間の定期検査中で全国や地元から最大約3千人の作業員が集う。ホテルや旅館は満室が増え、飲食店もにぎわう。建設業を営む男性(77)は「仕事をもらっている人は多い。川内は原発とは切っても切れん」と話す。

 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の3号機増設計画に再び注目が集まっている。2011年3月の東京電力福島第1原発事故後に計画は凍結されたが、政府は新増設の再始動へ着々と布石を打ち、川内3号機も念頭に置く。中東発のエネルギー危機で政府が鮮明にする「原発回帰」の流れも強まりつつある。15年前に止まった時計の針が再び動き出すのか-。(山下航)

 鹿児島市中心部から約40キロ離れた薩摩川内市内。3月上旬、早朝から作業員を乗せたバスやトラックが次々と川内原発に向かっていた。2号機は1月下旬から約3カ月間の定期検査中で全国や地元から最大約3千人の作業員が集う。ホテルや旅館は満室が増え、飲食店もにぎわう。建設業を営む男性(77)は「仕事をもらっている人は多い。川内は原発とは切っても切れん」と話す。

 3号機の建設予定地は1、2号機の隣にある。知事が増設に同意した4カ月後、原発事故が起きた。敷地には今も地質調査で掘った跡が残り、一部は資材置き場になっている。「早く計画を再開してほしい」。市ホテル旅館組合長(75)は期待を膨らませる。

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 増設計画に再び光が当たるきっかけは、政府が昨年改定したエネルギー基本計画だ。新増設の推進に向け、廃炉にする原発とは別の原発敷地内での建て替えを容認。玄海原発(佐賀県玄海町)で2基の廃炉を決め、川内原発で増設計画を持つ九電も該当し、経済産業省幹部は「川内も視野に入れた改定」と言い切る。

 その九電は昨年策定した35年度までの経営ビジョンで安全性を高めた「次世代革新炉」の開発と設置の検討を明記。西山勝社長は「地点など具体的な検討段階にない」と慎重な言いぶりに徹するが、「現実的に川内3号機しかない」(電力関係者)との見方がもっぱら。九電内では「頭の体操」(首脳)が続いている。

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 地元では増設再開の「布石」との見方も上がる計画が動き出した。台湾と日本の合弁会社が川内原発近くの九電の火力発電所跡で、国内最大級の人工知能(AI)向けデータセンターを計画。2月には九電と県や市も交えて早期開設に関する覚書を結んだ。

 生成AIの普及で建設が相次ぐデータセンターは、大量の電力を消費する上、原発や再生可能エネルギーといった「脱炭素電源」からの電力調達を重視する。政府は原発などの周辺にデータセンターを集積させる支援制度を創設しており、経済界幹部は「産業振興とセットで増設が動き出す可能性がある」とみる。

 ただ、計画再開への壁は厚い。地元でも「福島のような事故が起これば取り返しがつかない」(60代女性)と不安は少なくない。塩田康一知事は「凍結に変わりない」との姿勢を堅持し、地元理解は見通せない。

 もう一つの懸案である1兆円規模に上る巨額投資の確保策は前進中だ。国は原発建設へ公的融資を可能とする枠組みを策定。早期の制度開始を目指す。九電の西山社長は「それがあってもすぐに判断できる状況ではない」と強調した上で、新増設への環境が徐々に醸成されつつある認識も口にした。「いろんな前向きな措置が整ってきているとは感じている」