ハンセン病元患者の「心の叫び」訴えた創作劇 鹿児島・伊集院高が全国高校総合文化祭で優秀賞
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国の不当な隔離政策が元患者を苦しめたハンセン病問題に向き合った創作劇を、鹿児島県立伊集院高(日置市)の演劇部が今夏の全国高校総合文化祭で熱演した。強制隔離を規定した「らい予防法」の廃止から30年の節目の年。当事者の肉声を通じて知った壮絶な人生、なお残る偏見差別…。元患者の「心の叫び」を若い世代が舞台でぶつけた。劇のタイトルは「そのひとの名前」。鹿児島県出身の少年を主人公に物語は展開する。県内の療養所に収容され、身内に迷惑をかけるという理由で本名を奪われ、園名「山田島男(しまお)」として生きていくことを強要された。園内で結婚する際は、子どもが生まれないよう断種手術を強いられた。その違憲・違法性を問う国家賠償請求訴訟に勝利した後、ようやく本名を明かすことができた-。
国の不当な隔離政策が元患者を苦しめたハンセン病問題に向き合った創作劇を、鹿児島県立伊集院高(日置市)の演劇部が今夏の全国高校総合文化祭で熱演した。強制隔離を規定した「らい予防法」の廃止から30年の節目の年。当事者の肉声を通じて知った壮絶な人生、なお残る偏見差別…。元患者の「心の叫び」を若い世代が舞台でぶつけた。
劇のタイトルは「そのひとの名前」。鹿児島県出身の少年を主人公に物語は展開する。県内の療養所に収容され、身内に迷惑をかけるという理由で本名を奪われ、園名「山田島男(しまお)」として生きていくことを強要された。園内で結婚する際は、子どもが生まれないよう断種手術を強いられた。その違憲・違法性を問う国家賠償請求訴訟に勝利した後、ようやく本名を明かすことができた-。
脚本は国語教諭で顧問の上田美和さん(54)。高校演劇に携わって約20年。郷土の歴史や社会的な問題を取り上げてきた。ハンセン病問題は初任校の人権研修で学んで以来、気に留めてきた題材だった。あまりの過酷な現実に脚本を書く自信が持てずにいたが、らい予防法廃止の節目を前に当事者の話を重ねて聞き、多くの資料も読み込んで練り上げた。
38人の部員たちは昨年9月に脚本を受け取ると、舞台になった国立ハンセン病療養所星塚敬愛園(鹿児島県鹿屋市)を訪ね、元患者で違憲国賠訴訟原告の竪山勲さん(77)に約3時間、話を聞いた。部長の重山結依(ゆい)さん(17)は「最初は怖かった。無理解で差別する側にまわっちゃうんじゃないかと…。でも、竪山さんと会って覚悟が固まった」と明かす。
約10カ月にわたり、元患者が受けた不条理に演劇を通じて向き合った部員たちは「今、置かれている環境、支えてくれている人への感謝を忘れずに」と何度も確認し、7月30~8月1日に秋田県で開かれた全国高校総合文化祭演劇部門に九州代表として挑んだ。
主人公を演じた小梁川(こやながわ)颯さん(18)は「若い世代が当事者の声をしっかり伝える」と意気込み、元患者の思いを全身で表現。3年連続の全国大会で、部員たちが目指した最優秀賞には届かなかったが、満席の会場では長い拍手が続き、優秀賞(3校)の評価を得た。
同世代を含む観客の多くから「ハンセン病について深く知りたいと思った」「一生忘れない舞台だった」などの感想が寄せられた。部長の重山さんは「1位ではなかったけれど、舞台から私たちの思いが届いたことはとても尊くて、誇りに思います」と振り返った。
竪山さんは「偏見差別は何一つなくなっていない。高校生の目線で問題を的確に捉え、次代につないでくれる今回の演劇をとても頼もしく思う」と若者の挑戦にエールを送った。(竹森太一)