鹿児島県 〝星窪伝説〟の解明に情熱 龍郷町赤尾木で星村さん アリゾナ隕石と元素一致など成果 「星の物語に思い馳せて」
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龍郷町赤尾木の手広地区に「星窪(ほしくぼ)」と呼ばれる場所が残る。隕石が落下したと伝えられる地域で、名前の由来である「星が落ちてくぼ地ができた」という伝説は本当なのか――。伝説の解明に情熱を注ぐ同地区出身で元日本大学理工学部教授の星村義一さん(79)は30年以上にわたって周辺を調査。採取した岩石土を元素分析した結果、アリゾナ隕石とほぼ一致することを突き止めた。星窪は、国道58号線沿いにある根原バス停の東側に広がる場所の昔の地名。一帯はサトウキビなどが栽培されており、現在は旧土地台帳のみで確認できる地名となっている。
星村さんは1990年頃、有史時代から伝わる古里の伝説を解き明かしたいという思いから人知れず調査を開始した。ボーリングなどの大掛かりな作業も私費で捻出。その成果の一端は、論文を寄稿した東亜天文学会の機関誌「天界」(2002年5月号)でもみられる。
星村さんによると発見した岩石土(最大53㌔)は、調査にあたったくぼ地の地中から掘り出した。岩石土はエネルギー分散X線分光法を使って分析。1974年の現地調査で購入したアリゾナ隕石と比較した。
実験では、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素(シリコン)、カリウム、カルシウム、マンガン、鉄、ニッケルの存在を確認した。マンガンを除く7種類の元素がアリゾナ隕石と一致した。計測データでは元素の含有率なども酷似しており、「データのピークも一致している」と星村さん。結果は隕石を直接証明するものではないが、伝説を考える上では重要な手掛かりになる。「星窪には隕石が落ちたと言っても、誰もが納得できるレベルだ」と胸を張る。
現在、成果をまとめたチラシの制作を進めている。星村さんは「科学的に分かってきた成果を多くの人に知ってもらいたい」と振り返り、「地域でも忘れられつつある伝説。実際に星窪に立って、空から落ちてきた星の物語に思いを馳せてほしい」と呼び掛けている。
星村さんは東京都在住で、工学博士。これまで電気材料に関するさまざまな論文を発表している。