徳之島町文化財にも ソテツシロカイガラムシ被害 「子株切り取り保管を」 鹿児島県
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鹿児島県・奄美大島のソテツを壊滅的な状況にしている外来種の害虫・ソテツシロカイガラムシ(CAS〈キャス〉=アウラカスピス・ヤスマツイ英語表記の通称)被害は、徳之島でも拡大の様相だ。徳之島町手々(てて)にある町が天然記念物に指定しているソテツでも葉への付着が確認され、貴重な文化財にも及んでいることが分かった。1976年11月に町の天然記念物として指定されたのは「ソテツの元祖」。伝承や『徳之島小史』の記述から400年以上が経過した同島内で最も古いとされている。
一般社団法人日本ソテツ研究会(髙梨裕行会長)では「伝承かもしれないが、数百年前のソテツとなるとかなり古く、国内における広がりや起源などを調べる上で大切な資料」と注目してきた。ところが現地で調査を行っている関係者からの情報で被害を把握。髙梨会長は「薬剤散布など防除で抑制できるかもしれないが、遺伝子を守る取り組みが必要ではないか。親株と同じ遺伝子である子株を切り取り、感染が及ばないように保管し適切な時期に植え戻す方法がある。ぜひ実行をお願いしたい」と求める。
近くには学校もあることから子どもたちの関心を高めるためにも教育の一環(文化財の保護)としての取り組みを期待する。また、同町にある金見崎ソテツトンネルでも被害確認の情報が寄せられているとし、「密植しているだけに(奄美市笠利町にある、あやまる岬のソテツジャングルの例のように)被害が一気に広がる可能性があるのではないか。甚大化が懸念される」と指摘する。
同町教育委員会では文化財担当者が「ソテツの元祖」の被害状況を19日に確認。担当者は「葉の部分に付着していた。台風13号の災害調査で9日に訪れたときは、付着を確認していない。昨年10月、手々地区の海岸部分のソテツ被害が初めて確認され、以降、町の担当課が防除に取り組み、ソテツの元祖も防除したと聞いている」と話し、子株の切り取りについては「奄美大島でも進められ、一つの方法と認識している。被害の状況を報告し、子株切り取り保管を含めて対策を協議していくことになる」とした。
なお、県は被害発生状況について市町村などからの報告に基づき半年に1回まとめ公表している。森づくり推進課によると本数と面積を対象にしており、文化財に指定されているソテツの被害については把握していないという。
ソテツシロカイガラムシ(CAS) ソテツの集団枯損をもたらす外来のカイガラムシ。1972年にタイで発見され、寄生するソテツの輸送を通じてアジアや米国の自生地に広まったとされている。在来種とは異なり、ソテツの根や幹の深部にまで寄生し、葉は黄白色となり立ち枯れする。約20年前には台湾やグアムの自生地で壊滅的被害をもたらした。