カゴミル 鹿児島の今のニュースを、まとめて。

← 一覧
「クラフトコーラ」パッション・スモモで新商品 出荷不可作物に付加価値「加工品販売で収益」 鹿児島県
自然・火山 奄美新聞 👁 3

「クラフトコーラ」パッション・スモモで新商品 出荷不可作物に付加価値「加工品販売で収益」 鹿児島県

📰 全文
 収穫期と台風襲来が重なり被害が出ると農家は作物の出荷ができず収益を失う。今期はスモモとパッションフルーツでこうした事態に直面したが、加工品化で付加価値を生み出す取り組みが「クラフトコーラ(コーラシロップ)」で進められている。両作物を原料にした新商品を開発。香りと甘みの特長を引き出した。

 奄美大島で自然素材(奄美産中心)を原料にした手作り品を製造している「TUNAGU(つなぐ)」(大山和輝代表)が開発した。既製品は黒糖、タンカン、レモン、ショウガ、ウコン、シナモンスティック、食塩、水が原料だが、このうちタンカンが代わる。パッションフルーツは瀬戸内町のながむら農園、スモモは大和村の然(ぜん)農園からで、仕入れ量は50㌔㌘(両園計)。

 完成した商品は100㍉㍑サイズと500㍉㍑サイズの2種類。大山さん(26)は「傷みなど規格外から生果として出荷できない、出荷できたとしても市場価格が低い果実を買い取っている。今回取り寄せた農園だけでなく、台風で被害(パッションフルーツ果実の落下)を受けた生産者からの問い合わせもある。加工品として販売することで、売り物にならない果実を売り物にして収益を生み出し貢献できれば」と語る。

 両作物もジュース類などの加工品が販売されているが、こうした商品とクラフトコーラの違いは原料が単体ではなく掛け合わせていること。飲むという体験でも違いがある。「ジュースは喉のかわきを潤し、その場で飲みきるもの。クラフトコーラは炭酸や氷で割りながら、香り・スパイス・余韻の変化をゆっくりと楽しむ一杯。食事や団らんの時間に寄り添い味わうためのコーラ」(大山さん)。

 また、瓶や表示するラベルのデザインにもこだわっている。「おしゃれ感」をポイントにすることで、大山さんと同世代の若い人や女性が手に取ってもらえることを意識した。

 原料としての使用は、パッションは苦みがあるという皮は除き中身の果肉と種部分、スモモは皮を含めて果実を丸ごと。大山さんは「パッションは香りの立ち方がすごい。スモモは口に入れた瞬間の甘みを味わってほしい」とPRする。

 二つの原料が加わったことで大山さん開発のクラフトコーラは4種類の販売になる。SNSなどを通して島内外の販路を開拓しており、飲食店やホテル、セレクトショップなどに卸している。物産展での展示販売にも乗り出す。自然環境に負荷を与えない作物づくりなど環境問題にも関心が高い大山さん。売上の一部を奄美群島広域事務組合が窓口になっている世界自然遺産基金のほか、国際的な取り組み(「1% for the planet」自然環境の必要性を理解する企業の同盟)にも賛同し寄付を予定している。