鹿児島県 「クロウサギの里」に歓声 「あがりまた祭り」にぎわう 昔遊びや郷土料理、保護・共生のお話し会 天城町当部
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【徳之島】「クロウサギの里」として知られる天城町当部集落の名所「東又泉(あがりまたいじゅん)」前広場で20日、第9回「あがりまた祭り」が開かれた。兼久小校区の子ども会や保護者、地域住民ら約100人が参加し、昔遊びや郷土料理、流しそうめんを楽しみながら交流を深めた。今年はアマミノクロウサギの生態を学ぶお話し会と写真展も初めて併催され、自然保護と人との共生について理解を深める機会となった。当部集落は、世界自然遺産エリアに連なる山林に囲まれ、国指定特別天然記念物・アマミノクロウサギが民家の庭先にも姿を見せる世界的にも珍しい環境にある。かつては「陸の孤島」「限界集落」とも呼ばれたが、近年は道路整備や町の山海留学生制度、住宅施策などによりIターン世帯の受け入れが進み、交流人口も含め増加傾向にある。
祭りは、天城町教育文化の町推進・南部地区推進協議会(奥好生会長)が主催、当部集落共催の夏休み恒例の交流イベント。晴天に恵まれた会場では、子どもたちが地域の高齢者に教わりながら青竹で水鉄砲を作り、射的遊びに歓声を上げたほか、熱中症対策にもなるツワブキの葉を使った帽子作りにも挑戦した。
また、当部在住でアマミノクロウサギの生態研究に携わる林倫成さん(53)=兵庫県出身=が講師を務めたお話し会と写真展(会場・茶処あがりまた)では、クロウサギの貴重な生態や保全活動について紹介。子どもたちは写真や動画に見入りながら話に耳を傾け、保護と共生への理解を深めていた。
会場では約10㍍にわたる青竹の流しそうめんや、集落の女性グループが手作りした豚肉おにぎり、食後のかき氷も振る舞われ、参加者は夏のひとときを満喫した。
初めて参加した貢主龍君(天城中2年)は「とてもいい機会で楽しかった。クロウサギは今後も大切に保護しながら、増え過ぎによる農業被害にも目を向けてあげる必要があるとも感じた」と話した。
今年4月、愛知県から移住して7年目で当部集落(約27世帯、約50人)の区長に推された太田照久さん(51)は、「準備は大変だが、子どもたちの喜ぶ姿を見ると来年も続けたいと思う。学校やPTA、住民の皆さんの協力に感謝です」と笑顔。また「現役世代でも区長を務められるよう、行事や業務の効率化やマニュアル化を進め、若い世代へつながる地域運営のモデルもつくっていきたい」と今後への意欲を語った。