「最終目標はベルリンフィル」鹿屋の中学2年生がフルート日本一 世界へ羽ばたく才能、7月にコンサート開催へ【鹿児島】
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打楽器の全国大会でフルートを演奏し、日本一に輝いた中学2年生が鹿屋にいる。鹿屋中学校に通う久保篤弘さん(14歳)だ。5月に千葉県で開催された全日本管楽コンクールで最優秀賞の金賞を受賞。その快挙を地元で称えようと、7月には鹿屋市内でコンサートが企画されているが、400席が発表からわずか1週間で完売するという盛況ぶりを見せている。久保さんが口にした夢は「ベルリンフィルでフルートの首席」。14歳の挑戦は、まだ始まったばかりだ。久保さんがフルートを手にしたのは10歳のとき。通っていたピアノ教室で、試しに吹いてみたことがきっかけだった。
ピアノ&フルート教室の竹下順子先生はその日のことをよく覚えている。「久保君のお母様が『この子は音が鳴るものはすべて音を鳴らして遊んでいる、1日中』と。じゃあ『フルート吹いてみない?』って言ってフルートを持たせてみたんですね。そしたら最初からすごい良い音が鳴って」と振り返る。
竹下先生によれば、フルートは「吹きかけ方が悪かったら半年音が出ない子もいる」という難しい楽器だ。それにもかかわらず、久保さんは最初から良い音を鳴らした。才能の片鱗は、この瞬間からすでに顔をのぞかせていた。
その後、久保さんはめきめきと頭角を現し、数々のコンクールで入賞を重ねていった。
2026年5月、千葉県で開催された全日本管楽コンクール。フルート、クラリネット、オーボエ、サックスの4種類の管楽器奏者、計63人がエントリーした中学生の部で、久保さんは最優秀賞の金賞に輝いた。
「びっくりの一言です。自分もどうなるか心配してたのですが、自分の精一杯を出したのでいけるんじゃないかという気持ちもあったので本当に嬉しかったです」と久保さんは語る。
注目すべきは、この大会が「打楽器」を主軸とした全国大会であるにもかかわらず、管楽器部門でフルートという楽器で頂点を取ったという事実だ。多様な楽器が競い合う舞台で、久保さんの演奏は審査員に最も高く評価された。
放課後、鹿屋中学校の吹奏楽部では仲間たちと練習に励む久保さんの姿がある。取材当日はテスト期間が明けた久しぶりの練習日。「理科と英語だったんだけど、理科は最後本当に意味が分からない問題が出た」と笑う様子は、どこにでもいる中学2年生だ。
しかし、ひとたびフルートを手にすると、その存在感は別格だという。吹奏楽部のメンバーはこう話す。「音の質とか出し方とか楽器での歌い方とかが本当にすごくて尊敬してます」「練習でもオーラが出てます。『音楽〜』ってオーラが」「練習外でもずっとフルート吹いてます」。
日常の中でも常にフルートと向き合い続ける姿勢が、日本一という結果を生み出している。
この快挙を受け、若手音楽家を支援する鹿屋市音楽家支援ネットワークが、7月に久保さんのコンサートを開催することを決定した。会場は鹿屋市の「リナシティかのや」の最大ホールで、400席を用意した。
ところが、末吉俊一代表によれば「リリースして1週間もしないうちに400席全て出てしまいまして。想像以上です。だから今はどちらかというと、行きたい思いがあるのに来られない方々をどうフォローするのか頭を悩ませている状況です」という。地元・鹿屋市における久保さんへの注目と期待の大きさが、数字にはっきりと表れた形だ。
末吉代表はこう言葉を続ける。「こんな賞を獲る機会はそんなにないし、こういう子たちが鹿屋にいるんだよということをみんなに知って欲しいし」「これまでも鹿屋出身の音楽家たちって結構いるんですよ。でも、その中でも天才的な将来性を持っているんじゃないかとかなり期待している」。
当日のピアノ伴奏を担当するピアニストの竹下智子さんも、久保さんへの信頼を口にする。「勘とセンスがすごく良いのでいつも素敵な音楽を聴かせてくれます。毎回同じことをするわけではなくて、いろいろなことを仕掛けてくるので、そこに反応して演奏するのが楽しいところです」。
コンサートはすでに満員御礼となったが、久保さんの歩みはここで終わらない。「最終的な目標はベルリンフィル!フルートの首席で演奏できたらなっていうのが一番の目標です」と、14歳は臆することなく夢を語る。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は、世界最高峰のオーケストラとして名高い。その首席フルート奏者を目指すという言葉は、単なる夢想ではなく、実績と日々の積み重ねに裏打ちされた宣言に聞こえる。
鹿屋から世界へ。14歳のフルート奏者・久保篤弘さんは、夢に向かって今日も音を鳴らし続けている。