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高千穂神社の桜移植 土壌改善で老木保全へ 奄美市名瀬
総合 南海日日新聞 👁 3

高千穂神社の桜移植 土壌改善で老木保全へ 奄美市名瀬

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 鹿児島県奄美市名瀬の高千穂神社(曻清隆宮司)で8日、境内に植えられた桜の老木の移植作業があった。植樹後90年以上がたつ桜の木は腐敗や空洞化が進み、昨年2月に樹木医の診断と初期治療を受けて、土壌環境の改善が提案されていた。移植作業は同市名瀬の中山造園(中山圭一代表取締役)が無償で実施。作業員4人が約7時間かけて敷地内の生育環境が良い場所へ植え直した。

 桜の木は1935年、神社が県社に昇格したことを記念して植樹された。種はツクシヤマザクラ。境内にはこの木を親とした2世樹木も多く植えられているという。

 老木が植えられていたのは、境内の車はらい場の脇。周辺には砂利が敷かれ、車によって地面が踏み固められたことで、栄養や水分、酸素を取り込む根が伸びきれずに地表に露出する根上がりが起きていた。

 伐採も検討されたが、瀬戸内町加計呂麻島のデイゴ並木の樹勢回復の取り組みに携わり、同神社の桜の治療にも立ち会った同造園取締役の中山和紀さん(36)が「地元に親しまれている神社の歴史ある桜を保護できれば」と移植を提案した。

 移植場所は、元の位置に近い社務所横の小高いスペース。以前はお焚(た)き上げが行われていたため、灰が豊富で土壌環境も良く、日当たりも良好だという。

 午前8時ごろから中山さんら4人で作業を開始。桜が弱らないよう剪定(せんてい)と蒸散抑制剤をまき、ショベルカーを駆使して根の周囲を掘り下げ、積載型トラッククレーンでつり上げて移動させた。移植後は竹製の筒型土壌改良剤を桜の周辺に10本埋め、入念に水やりまで済ませた。

 中山さんは「桜は治療から1年かけて力を蓄え、今年も開花した。細かい根もたくさん生えてきているが、根付くのは難しく、生きる確率は3割。定期的に訪れて経過観察していきたい」と話した。

 曻宮司は「桜は日本のシンボル。近くで見守れる場所に移植していただいた。この桜が咲くよう毎日祝詞をあげたい」と語った。