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「コロナ禍より大変」 ナフサ供給不足、奄美でも影響
総合 南海日日新聞 👁 1

「コロナ禍より大変」 ナフサ供給不足、奄美でも影響

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 中東情勢の悪化で原油由来の原料「ナフサ」を用いる製品の供給不足が国内で広がる中、鹿児島県の奄美地方でも塗料などの販売業をはじめ、建設・建築業や自動車整備業、水産業、農業など幅広い業種に影響が及んでいる。商品の入荷遅れや停滞が経営に大きな打撃を与えている事業所もあり、「コロナ禍より大変」などと窮状を訴える声が上がっている。

 ナフサは石油化学製品の原料で、塗料や樹脂、合成ゴムなどの価格に直結する。国内で流通するナフサの大半は中東からの輸入に頼っているため、国際情勢や原油市場に左右されやすい側面がある。

 「こんな事態は初めて。コロナ禍どころの話じゃない」。そう嘆くのは奄美市名瀬にある「エバタ塗料」代表取締役の恵畑達広さん(66)。同社は創業58年の老舗で、車両用、建築用、工業用、船舶用、防水用、家庭用と幅広い塗料を扱う専門店。

 恵畑さんによると、塗料用シンナーは4月時点ですでに品薄状態。5月に入ると溶剤系(油性)を中心に塗料の仕入れも一段と難しくなった。「10を発注しても1、2しか届かない」のが現状だという。

 限られた在庫が既存の顧客らにできるだけ均等に行き渡るよう努めているが、「建築や車両整備を行う事業者らも頭を悩ませているはず。必要な分を確保できず申し訳なく思う」と恵畑さん。

 仕入れ先にも頻繁に問い合わせてはいるが、入荷の見通しは立たず、「先行きが見えないのもつらい」とため息をもらす。

 塗料やシンナーを含め、石油を原料とする商品の品薄は、壁や屋根の塗装、防水工事を実施する建築業や、板金塗装などを行う自動車整備業にも影響を広げている。瀬戸内町で自動車整備工場を営む茂村恒利さん(65)は「タイヤやエンジンオイルも品薄状態。小さな工場なので大量には在庫を抱えられない。毎回減ってから発注を掛けるので困っている。大手のスタンドは多少在庫があるようなので、オイル交換を希望するお客さんはそちらへ誘導している」と話した。

 影響は1次産業にも。瀬戸内町の養殖業「やしろ水産」では、漁網に水生生物や汚れが付着するのを防ぐ漁網防汚剤が品薄で手に入らない状況が続く。茂野弥史郎社長(64)は「夏前には網の処理をしないといけないが、いつ手に入るか分からない。いけすに魚が入った後は手入れができなくなるので大変困っている」と嘆いた。

 奄美大島内のある種苗店では、農業用ハウスのビニールや育苗に使うポリポット(ビニール製鉢)の入荷が遅れ、一部の除草剤も品薄となっている。店主の男性は「お客さんも『仕方ないね』と半分あきらめモード。早く戦争が終わって」とぼやいた。