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鹿児島県 龍郷町博物学士26年度第1回講座 「ソテツ守る奄美の文化守る」 被害考える講話や体験活動
観光・グルメ 奄美新聞 👁 1

鹿児島県 龍郷町博物学士26年度第1回講座 「ソテツ守る奄美の文化守る」 被害考える講話や体験活動

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 2005年度から始まり26年度で22回目となる龍郷町の子ども博物学士講座の開講式と第1回目が23日、りゅうがく館であった。最初の講座は「ソテツが危ないぃ~!?」がテーマ。同町には安木屋場集落に群生地があるが、ソテツシロカイガラムシ(アウラカスピス・ヤスマツイ=英語表記の通称CAS〈キャス〉)の被害や生態を学ぶと同時に守ることについて考えた。

 1回目講座は小学生28人が参加。今年度は計7回の講座を計画しており、夏休みには2回のナイト講座(ホタル・星座観察)、来年の生誕200周年を前にした同町ゆかりの西郷隆盛に関連した内容もある。
 開講式で碇山和宏教育長は「体験活動を通して奄美の自然、生活、歴史文化を学び本物に触れてほしい。それによって龍郷町で生まれたことに誇りを持つようになる」とあいさつ。昨年度の講座では11組が自由研究発表を行ったが、このうち大勝小5年生の3組がヒカンザクラ・ハブ・大島紬について開講式で発表した。

 ソテツをテーマにした講座では安木屋場集落在住の伊勢勝義さん(71)がソテツだけでなくアダンの葉を使ったかご作りなど昔遊びの体験活動を担当。鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センターの菊池隼人・特任研究員と大島支庁林務水産課職員が講座を担当した。

 菊池さんはソテツの葉に付着したソテツシロカイガラムシを8~40倍に拡大できる立体顕微鏡を使い観察。白い殻を取り除くことで確認できる雌成虫(丸い形をして羽がない)、雄成虫(触角や羽がある)、幼虫の様子をスクリーン画像で紹介し生態などを分かりやすく説明。「一つの雌が一度に40個ぐらいの卵を何度も産む。これが知らないうちに被害が広がってしまう理由の一つではないか」と述べた。天敵の可能性についても触れ、「ソテツの葉の上にはソテツシロカイガラムシだけでなくササラダニなどいろんな生き物がいる。(ソテツシロカイガラムシを)食べる生き物がいるかもしれない」と語った。

 林務水産課は安木屋場集落の群生地の画像などを映し出しながら被害の状況を説明。龍郷町では森林でも被害(昨年12月末現在で134㌶)が出ている。防除対策では急斜面の群生地で進められている被害葉切除や薬剤散布の様子を伝え、こうした取り組みによって現在新しい芽(葉)が確認されている箇所もある。「ソテツは奄美の生活文化(ナリみそ、救荒作物としての利用など)との関わりがあり、ソテツがなくなることは生活文化がなくなるということ。普段の生活でソテツを守るということの意味を考えてほしい」と受講した子どもたちに呼び掛けた。大勝小4年の森山優樹くんは「ソテツがなくなったら文化がなくなってしまう。守りたいと思った」と話した。