鹿児島県の企業倒産、4月は5件・2億6200万円 建設業が6割、中小企業の「息切れ」懸念広がる 「株高不況」の声も 帝国データバンクまとめ
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帝国データバンク鹿児島支店は、2026年4月の鹿児島県倒産集計をまとめました。倒産件数は5件、負債総額は2億6200万円でした。倒産件数は2か月連続で減少し、負債総額も前月比で71.6%減と大幅に縮小しています。数字だけを見れば落ち着きを取り戻したように映りますが、業種別では「建設業」が全体の6割を占め、コスト高騰や人材不足が依然として経営を圧迫している実態が浮かび上がります。
「株高不況」という声も聞かれるなど、企業を取り巻く環境は楽観できない状況が続いています。
■件数は前年同月と並ぶも、負債総額は前年比88.9%減
4月の倒産件数5件は、前月の7件から2件減少し、前年同月と同じ5件でした。一方、負債総額は2億6200万円はで、前月の9億2100万円と比べ6億5900万円(71.6%)の大幅減、前年同月(23億6500万円)比では実に21億300万円(88.9%)の減少となりました。
2026年の累計で見ると、倒産件数は30件(前年同期25件)と前年を5件上回っています。
累計負債総額は39億5600万円で、前年同期(71億4300万円)を31億8700万円下回っており、件数は増えているものの大型倒産が少ない状況です。
■建設業が3件・6割を占める 価格転嫁と人材不足が追い打ち
業種別の内訳を見ると、「建設業」が3件(60.0%)、「小売業」が2件(同40.0%)となりました。
特に目を引くのが建設業の多さです。
コスト高騰による影響や価格転嫁が進んでいない点が倒産の背景にあり、今月だけでなく近月においても建設業の倒産が目立ちます。さらに、価格転嫁の問題に加えて人材不足も深刻で、受注環境への不透明感も懸念材料となっています。
■倒産の主因は「販売不振」が8割 不況型倒産が大勢を占める
主な原因別では、「販売不振」が4件(80.0%)を占め、「その他」が1件(20.0%)でした。いわゆる不況型倒産の合計も4件(80.0%)に達しており、外部環境の悪化が直接的に経営を追い詰めている構図が鮮明です。
■負債額・規模別では小規模企業が中心
負債額別の内訳は、「5000万円未満」が2件(40.0%)、「5000万円以上1億円未満」が2件(40.0%)、「1億円以上5億円未満」が1件(20.0%)でした。
従業員数別では、5件すべてが「10人未満」の規模の企業でした。態様別も全件が「破産」でした。
地域別では、「鹿児島市」が3件と最多で、「大島地区」が1件、「霧島姶良地区」が1件でした。
■株高と不況が同居する矛盾 「円安・物価高」は1企業の努力では対応困難
帝国データバンク鹿児島支店は、「日経平均株価が6万円台を突破するなど過去最高値圏にある一方で、中東情勢の緊迫化に伴う原材料・エネルギー価格の高騰や調達懸念などが相まって企業の景況感は悪化していて、「株高不況」という声も聞かれる。「円安」や「物価高」といった問題は一企業の努力では対応が難しく、問題の長期化により今後は息切れする企業が増えることが懸念される。」と指摘しています。