カゴミル 鹿児島の今のニュースを、まとめて。

← 一覧
旧奄美漁協、4地区体制移行へ JFかごしま設立から1カ月
総合 南海日日新聞 👁 6

旧奄美漁協、4地区体制移行へ JFかごしま設立から1カ月

📰 全文
 鹿児島県奄美大島の旧奄美漁協は2005年、笠利、龍郷、大和、住用の4漁協が合併して誕生した。笠利を本所、残る3地区を支所として約20年間運営してきたが、組合員数などの組織規模や共同漁業権で漁業ができる範囲などが異なる4地区間に隔たりがあった。加えて大和、住用両地区で長年行われている海砂採取の漁業補償金の使途に関する認識の違いも、広域合併漁協の難しさを象徴していた。

 ■〝逆戻り〟の希望多く

 4月1日に発足した鹿児島県漁業協同組合(JFかごしま)では、県漁連が本所、合併した各漁協は支所に位置付けられている。合併に参加した沿岸地区29漁協の多くは旧漁協名を支所名とする単一支所となっているが、奄美、鹿児島市、指宿の旧3漁協は支所を複数登録した。県漁連によると、いずれも3漁協の意向を踏まえた対応という。

 旧奄美漁協で05年以前の組織体制へ逆戻りする〝分裂〟の声が上がり始めたのは、役員改選があった24年ごろ。大幅な刷新で理事の世代交代が進み、ある地区選出の理事から「広域組織よりも単独組織の方が行政支援を受けやすい」などの提案があり、役員間で協議を進めてきた。

 昨年6月の総会では、海砂採取の漁業補償金使途の認識などを巡って龍郷を除く3地区の関係者が、奄美漁協離脱を表明するなど紛糾。4地区の組合員へ意向調査したところ、いずれも地区単位での運営を希望する意見が多く挙がり、旧奄美漁協はJFかごしまへの合併を進める一方、05年以前の4地区が独立運営を目指す方針を確認した。

 ■体制確立が課題

 県漁連は旧奄美漁協4支所の独立運営の条件として、独立採算が可能な安定収支と決算報告体制の確立を挙げている。旧奄美漁協合併当初は各地区に正職員が在籍していたものの、業務効率化などで人員を削減しており、経理などを担当する職員数は現在、笠利3人、残る3支所は臨時職員各1人となっている。

 龍郷、大和、住用の3地区では近年、営業日の日計表を作成して笠利本所へ提出し、本所で取りまとめていた。今後は月次、年次集計を支所単位で行う必要があり、臨時職員の負担増加が見込まれている。

 漁協組織の主な収入源は水揚げ手数料や組合員の漁業権行使料(賦課金)など。高齢化による組合員数の減少や水揚げ量の低迷などを背景に、大和、住用といった組合員数が少ない地区ほど独立運営のハードルは高い。独立運営となれば各地区で理事や監事などの役員を選出する必要があり、役員報酬なども収支安定への足かせとなりそうだ。

 ■自治体支援も視野に

 笠利支所は各地区で決算報告体制を整備するため、今後は龍郷、大和、住用支所の職員に対し、年間を通して経理などの事務作業を指導する方針だ。独立運営が可能になった場合でも、漁業ができる範囲を示す共同漁業権が同一の笠利と龍郷は合同運営、共同漁業権が異なる大和、住用はそれぞれ単独で支所運営していくプランもあるという。

 笠利支所の濵崎房生支所運営委員長(57)は、05年の合併以前に旧笠利町が旧笠利漁協へ拠出していた補助金に触れ、「自治体側にとっても広域合併した組織よりわが町にある漁協の方が、住民の理解を得て支援しやすいはず。どうしたら各支所で運営できるか、(旧奄美漁協の)理事会で協議する」と述べた。