「命を守る場所」と「危険な場所」―専門家が勧める視点 ウオーキングを楽しみながら災害への備え、鹿児島市内で確認
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大雨や地震といった災害に備え、ウオーキングを楽しみながら、自宅や職場周辺の危険箇所を確認する「防災散歩」と呼ばれる取り組みがある。地図を見るだけでは分からない情報が把握でき、避難行動に役立てられるとして、専門家は実践を推奨する。どんな点に着目すればいいのか。鹿児島県防災研修センター地域防災アドバイザーの村野剛さん(64)=垂水市=と鹿児島市内を歩いた。村野さんは「命を守る場所」と「危険な場所」の二つの視点を持って歩くことを勧める。まず着目すべきは「防災標識」だという。
鹿児島市中心部の天文館公園の標識には「地震時の緊急避難場所」とあり、人が楕円(だえん)に向かって走る姿を表現した図記号が描かれている。一方、すぐ近くの松原福祉館にも同じ図記号の標識があるが、「土砂災害○」「洪水・内水氾濫△」など災害種別ごとの適否、津波発生時の浸水リスクなども書き加えられている。
村野さんは「災害によって避難行動は変わる。身近な標識を見て、どんな災害に対応しているか事前確認も必要だ」と強調した。
防災散歩では「道路状況」や「高低差」を確認することも有効だと指摘する。
国土地理院地図によると、天文館公園周辺の高低差は1~2メートルほど。村野さんは「特に車いすやつえを使う人は移動が難しくなる。大雨の場合は注意が必要だ」と注意を促す。「路面が削れてつまずかないか」「身動きが取れる道幅か」など、経路の実情の記録も重要だと話す。
「防災計画の実地検証にもなる。歩いて気付いたことを盛り込んだ自分だけの避難地図を作り、家族や地域で共有してほしい」と村野さん。「危険が訪れてからの避難では遅い。警戒レベルに合わせてどう行動するか、あらかじめ決めておくと迷わずに済む」と呼びかけた。