「屋根より高い~♪」はずが、小型タイプが人気…? 多様化する令和のこいのぼり事情を鹿児島で探った
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5月5日の端午の節句に合わせて青空を舞うこいのぼり。「屋根より高い」と童謡で歌われる初夏の風物詩だが、最近は場所を取らないベランダ・室内用の小型タイプが鹿児島県内でも人気を集める。背景にはマンション世帯や広い庭がないといった住宅事情がある。それでも子や孫の健やかな成長を願う思いは変わらない。令和のこいのぼり事情を探った。4月下旬、鹿児島市の丸新玩具与次郎店には、色とりどりのかわいらしいこいのぼりが売り場に並んでいた。高さは約15~50センチ。手で持って帰れる大きさだ。
同店によると、マンション世帯が増え始めた平成に入ってベランダに飾る商品が登場。2020年ごろから室内やベランダ用の小型の需要が一層伸びた。
店員の新内あずみさん(29)は「庭がある住宅の減少や新型コロナウイルス禍の外出控えで『室内で楽しみたい』と考える人が増えたのでは」とみる。
小型は窓ガラスに貼り付けたり、壁につるしたりできるなど多様化する。一方、かつての定番で庭に掲げる大型の購入は全体の2割にとどまる。
同市の人形会館高秀も室内用が7~8割に上る。「こいのぼりは外飾り、かぶとは内飾り」という光景は様変わりし、宇治野昭和マネジャー(70)は「今はかぶとと一緒に室内に飾れる大きさが人気」と説明する。
薩摩川内市の「人形のはかたや」は、今も大型の購入が4割を占める。店員の諸泉真実さん(34)は「少子化の影響でこいのぼり全体の売り上げは減少傾向だが、離れて暮らす孫を思い、自宅の庭や畑に掲げる祖父母も多い」と話す。
同市の川畑千代子さん(43)は息子の翔太郎ちゃん(0)のために室内用と、祖父母宅の庭に掲げてもらう大型を購入。「こいのぼりのように大きく成長してほしい」と願う。
県内では、地域の子どものために住民らがこいのぼりを揚げる取り組みも多い。諸泉さんは「こいのぼりには子どもを大切に思う気持ちが詰まっている。大きさはさまざまでも託す願いは同じだ」と力を込めた。